ちょっと前のわたしたち

【No.217】3月9日 Meche * 【No.218】3月16日 Maki
【No.219】3月22日 Sara * 【No.220】3月29日 かおる


No.220

3月29日 かおる(マドリード)

 異常気象という言葉が本当によく聞かれ、会話に出た冬がようやく終わった。

 「暦の上で春」とかそういう言い方が日本では一般的で、暦と自然の移ろいは微妙にずれたりするものだったけれど、こちらスペインでは春分の日からオフィシャルに春が始まる。 夏は夏至の日から、秋は秋分の日から、冬は冬至の日から。暦がすべて。

 しかも、天気予報では「OO日の何時何分、正式に春が始まりました。」なんて言うものだから季節の移ろいを自然とともに感じる、桜前線が春を告げる、という日本的な情緒には程遠く、なんだか機械的で少し味気ない。

 でも、とにかくそんなわけで、正式に春がやってきた。 振り返るとこの冬はスペインでは30年ぶりとか、50年ぶりとかの寒さだった、といわれているけれど、スペインだけじゃなく、世界各地で天災、気象の異変がこんなに顕著だった年は今までにないかもしれない。

 スペインではその記録的な寒さのおかげで、セマナ・サンタの絶好の行楽シーズンにスキーが楽しめるほど山には雪が残り、長かった冬の置き土産を楽しめる人もいるのだけれど、この反動でどんな夏になるのやら、と世界的な異常気象が次になにをもたらすのか、心配になる。 心配してもなにもできないのだけれど。

 そんな異常気象はいきなり一番身近に感じられる農作物で懐にも実感を与えてくれた。 野菜の今年の値上がりようといったら、スーパーでいつもどおりに野菜を買おうとして値札が目に入ったとたん、また値札を見直し(うそでしょ〜〜)買うのをやめる、ということが何度あったことか。

 生活じみてしまったけれど、私のこの冬の痛手は大事に5年ほど育ててきたジャスミンの木とマドローニョ(ヤマモモ)の木の鉢植えがどうも寒さにやられてしまったこと。 新芽をふく季節になっても寒さに焼かれたままの、立ち枯れ状態。ご近所の立派なジャスミンの木も同じような状態になったそうだ。 もう少しいたわっていれば、とその弱さに気づかなかった自分も少し反省。

 そんななかでも負けずに公園のアーモンドの花は満開だった。 ちょうど冬が最後の寒波を送ってくる前に、つぼみは膨らみかけていた。 そのつぼみをなにもかも凍てつくような寒さが襲ったのだから、今年は花を期待するのは無理かな、と思っていた。 が小さなか弱いつぼみは寒さをこらえて空気が温まるのをちゃんと待って見事に一気に花を咲かせた。

 自然はか弱いけれど、ほんとうに強い底力を持っている。

 

No.219

3月22日 Sara(グラナダ)

 春ボケをフアナ・アマジャで吹っ飛ばそう。

 究極の寒波がやってきた次には、いきなり春を通り越してタンクトップでOKの気候になってしまったアンダルシアはグラナダより。 と、思いきや、今週から大事なお国行事、セマナ・サンタ(イースター)に突入で、なんだか気が引き締まりません。 頭がもうお祭り。

 ムルシアでの舞台を終えてから、ちょっとリラックスしようと思ったら、リラックスを通り越してだらだらしすぎていました。 チョコは食べるわ、芋は食べるわ、暴飲暴食を楽しみすぎてました。 私って、ストイックさに欠けすぎてるというか、平均性がないというか、ラジカルというか、失格ねっ、と思う。 踊りとか、自分のことに熱中してると、細かいけど大事な配慮とかをすっぽかすところもなかなか直らない。

 このまま国民的行事、セマナ・サンタに突入すると歯止めがかからないなあ、と思っていたが、丁度、祭り前の5日間、私の普段通っているマリキージャ舞踊学校がフアナ・アマジャというスペインでも十指にはいる踊り手を呼んで集中講座が開かれるというので早速申し込むことにした。

 今日は第1日目。 ジプシーである彼女の野性味のある独特のスタイルはフラメンコのいわゆる基本といわれるものとはかなり違う、生まれて持ったものだけがもつもの、と思っていたけれど、彼女はちゃんと説明できるし、かなり偶然に見えるその振り付けは、ちゃんと理にかなっているし、何度踊っても正確に踊るので私はまた新しい衝撃を受けた。 舞台の彼女はかっこいいけど、真似できるわけがないと思っていた。2つのレベルのうちの低い方を取っておいてよかった。 プロフェッショナルクラスをとったら気分は良かったかもしれないけど、進みは速いは振りは複雑だわで、きっと振りを取るのがやっとだったろう。

 私のいるクラスでは、私は時に、フアナ先生の表情や全体の体の形を見る余裕が少しある。 だから、振り一つ一つに振りまわされずに曲全体の流れや力の入れ方、抜き方も見ることができた。 14人の生徒をひとりひとりかなり鋭くチェックしながら、1時間半、自分のスタイルを精一杯見せてくれた。

 スペイン人に遠慮して2列目の一番端にいた私をクラスの後半から、1列目の真中に呼んでくれた。 フアナのほとんど横で踊ることになる。 緊張したけど、励みになる。 上のクラスで迷惑にならないように一番後ろで踊ってるよりもはるかに良い。

 クラスが終わってマリキージャ先生がいらしてたので、改めてお礼を述べておいた。 個人の舞踊学校で定期的に有名なアーティストを呼んでの集中講座はとても難しいことだからだ。 今年は、フアナの後は、マヌエラ・カラスコ。その次はラファラエル・デ・カルメン。そしてマティルデ・コラルの講座が開かれる。

 こういうメンバーの授業を受けたければ、マドリードや、ヘレスやセビージャやコルドバで必死こいてホテルを探して当然1週間は外食だ。 物質的苦労だけではない。マリキージャ学校は自分達に自信があるし、本当の意味でやる気のある人達を育てたい、と思っているからこういう事ができるのだと思う。 その辺も含めて感謝を述べておいた。

 という訳で、今日からやる気マンマンの私でした。 明日のために復習しておこう。 フアナはきれいなかっこいいジプシーだった。 暴飲暴食がたたって私といえばにきび?吹き出物が顔に・・・。 明日はちょっと化粧でごまかそう。
 ああ。 化粧のノリも最近悪い???

 

No.218

3月16日 Maki(横浜)

 

あと数日で、4年ぶりのスペインだ。

思いもかけず、急に行けることになった。
昨年、まとまった休みが全然ないハードな仕事を始めて
少なくともあと1〜2年は無理だなぁとあきらめていたけれど、
今年になって健康上のトラブルが続発し、色々悩んだ結果、
2月末で仕事を辞めてしまった。
また職を探すのかー・・・という不安もあったけど、
ぽっかりと予定の空いた3月のカレンダーを見ていたら
「このチャンスを逃したらまた当分行けない!」と感じ、
なかば強引に航空券を予約してしまったのだ。

あまりに遠ざかっていたからか、あまりに急に決まったからか、
何だか信じられなくて、代金を振り込み、フライト日程表が
届いたのを見てようやく実感が湧いてきた。
4年間思いを募らせていたスペインに、やっと行けるんだ。
毎年のように仕事やら休暇やらで渡西できる人には
きっとわからないだろうけど、何年もかけてやっと
合格通知を手にした受験生みたいな気分だ。

しかも、歯車は動くときには動くというか、4月からの仕事も
新しく決まり、心置きなく3月を「休暇」として楽しめることに!
やっぱり神様は頑張る人を見捨てはしない!(笑)

今回の旅行は12日間。現地での予定は特になし。
以前のホストファミリーや友人に会うのが一番の目的なので、
今メールやら電話やらであれこれ連絡を取っているところ。
その時期スペインはセマナ・サンタ(聖週間)のお祭りで
大型連休なので、旅行に行っちゃう人や帰省しちゃう人も
多くて、予定を合わせるのにちょっと手こずっている。

でも、私はこれまでセマナ・サンタの行列を見たことがないので
この時期に行けることはある意味ラッキーだし、
まだ確認中なんだけど、もしかしたら友人の1人が
セマナ・サンタが有名な町に連れて行ってくれるか〜もしれない!
まあ、現地の予定なんてどうでもいいのだ。
今は早くスペインの空の下で友人たちに会いたくて仕方がない。

それにしても、4年の年月は短いようで長かった。
思い出は全然色あせてないけど、実際は私も4つ年を取り、
何より私のスペイン語力が4年分老け込んでいる・・・。
唯一の不安は、そこなんだよな〜。

 

No.217

3月9日 Meche(京都)

 アルバイトを始めました。

 お店は"Bar(バール)"。
 スペインの"Bar(バール)"その名は CIRCO(サーカス)!

 コーヒーも飲めてお酒も飲める、子供から大人までみんなの社交場(?)
 "Bar"で、私は週1回Tapas(おつまみ)を作ってる。

 オーナーである友人のリクエストに応えて、「スペインの味付けで行くぞ!」と志も高く、Arbondigas(肉団子)を1.5kgも作ってみたりして、2人で「これこれ、この味!これからはArbondigas屋で行こう!」と盛り上がって食い尽くしたり、チョリソを爆発させてみたり、大騒ぎ。 バイトよりパートと言った方が似合いそうな年齢の私だけど、学生時代以来のこのバイトが楽しくって仕方ないのです。

 実は、4月から本来の仕事が暇になっちゃう私。情けないね・・・てへへ。
ほんとなら、今頃は肩を落としてガックリ来てないといけないはずなんだけど、正直言うとウキウキしちゃってる。 だって自由な時間ができる今年は、スペインに行けるかもしれないから。
ん〜、スペインで美味しいTapasたくさん食べてバイトに活かすぞ〜! なんなら料理修業もしちゃおうか?
どんな時でも、志だけは高い私、えらいね(?)。

 でも問題はある。 それは日本人のお客様が、"Bar CIRCO"を "Bar(バー)"だと思ってる事。
う〜ん、お客様、磨き上げられたエスプレッソマシーンと、わざわざスペインから取り寄せた、自慢の自動オレンジ絞り機に、早く気がついてくださいませませ。

 

 

 

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