ちょっと前のわたしたち

【No.169】2月2日 Taka * 【No.170】2月10日 Meche * 【No.171】2月25日 Carmen

No.171
2月25日 Carmen(日本)

 『スペイン探偵局』で「スペインのサラリーマンの平均所得は?」という質問が出て、以後いろいろな人の回答や感想が寄せられている。日本人とスペイン人とでは平均所得額に大きな差があるために、多くのスペイン人にとって日本からやってくる人々(特に観光客)はとてつもなく金遣いの荒い集団のように思えるのであろう。もっとも、日本人がそう思われがちなのは別にスペインに限ったことではないのだが。

 『探偵局』の一部の回答にもあったが、私もスペイン人と話をする時は、自分や一般の日本人の収入に関する話はできるだけ回避するほうだ。日本という国を知らないスペイン人に数字だけで私たちの経済生活を判断されたくないし、また、所得が高くても物価もすごく高いので家を買うのも大変なのよ〜という言い訳めいたこともあまり言いたくないからだ。

 そう言えば、日本に留学経験のある友人Iともこの種の話はしたことがなかったなぁ。彼女ならスペインに来ている日本人の金遣いについて多少は理解があるだろう。今度会ったら意見でも聞いてみようかな。

 日本と比べて安い、と言えるものはまだまだあるけれど、もはやスペインも物価の安い国とは言えなくなったのが残念だ。銀行からおろしたばかりのユーロの高額札が私の財布に滞在する時間はあまりに短い。短すぎる。あっという間に姿を消してしまう。ヤツには本当に羽が生えてるのではなかろうか。

 物価が上がっても所得も同じように上がっているわけでもない現在、スペイン人とはお互いの収入の話は以前よりもさらにしにくくなったと感じているのだが、こういう思いもかつてキューバを旅した時の経験に比べたら大したものではないように思える。

 国民の平均的な月収が10ドル前後と言われ、外国人観光客が落とす米ドルが羨望の的となっている国で、私は自分の月収など絶対にキューバ人には明かすまいと思った。実際聞かれたこともあったのだが、一般的な数字など適当に並べながら、物価も高いので家を買うのも大変なのよ〜というお決まりの言い訳でお茶をにごしたのだった。

 外国人を相手にお金の話をするのはなかなか難しく、デリケートな話題だと思う。そんなわけで『探偵局』も時々のぞいているのだけど、いまだにこの話題にはレスを出せないでいる。



No.170
2月10日 Meche(京都)

 カブトムシの幼虫の気持ちが分かる(ような気がする)今日この頃。

 ここ最近、“酵素風呂”にすっかり夢中。
 お風呂といっても薬草の入ったヒノキのおが屑に首まで埋まるのだ。自然発酵したおが屑は、ほかほか・ふわふわで幼虫に生まれるのも悪くないなぁと思ったりしちゃう。

 小学校2年生の時から整骨院で肩こりの治療をしてもらっていた私は、治療の甲斐なく(?)今も肩こりに苦しんでいて、時には吐き気で眠れなくなる。
 不摂生な生活が悪いのか、それとも仕事のし過ぎなのか(うそ)1ヶ月ほど前も気持ちが悪くなって、眠れない夜を過ごした。近所のスーパー銭湯に行ってみたり、体操をしたり、いろいろ試してみたけど全然よくならない。そこで何か良いものはないかなとインターネットで探して見つけたのが、この“酵素風呂”。

 はげかかった看板に書かれた“酵素風呂”の文字。半裸のオヤジが玉の汗をかきながら、これまた半裸で並ぶオヤジ達にスコップでおが屑をかける。私の中にあったそんなちょっと汚くて貧乏くさい(ほんとごめんね)の“酵素風呂”イメージは、さようなら〜と言いながら一気に彼方に吹き飛んだ。
 パソコンの画面には、おが屑の入った大きなベッドのような浴槽の横で微笑んでいる白い制服に身を包むスタッフのお姉さん。大きな窓から太陽の光が降りそそぐ明るくきれいな部屋。「女性専用です。酵素パックやフェイスマッサージ、指圧の資格を持ったスタッフの揉みほぐしもしています」
 次の日私はその部屋で、おが屑から顔を出していた。

 今は週に2回ほど幼虫気分を味わってる。
 エステに比べてお値段が安いのはもちろんだけど、怠け者の私がまめに通ってるのは、もちろんそれなりの効果が出てるから。
 代謝が上がり血行が良くなったことで、肩こりは軽減、お肌つるつる、しかもなかなか効果が出なくて「ダイエットはライフワークだもんね」とまで言い放っていたけど、痩せてきた。あ〜、幼虫するのってとっても幸せ。
 あとは成虫になってツノが生えないのを祈るだけです。

No.169
2月2日 Taka(東京)

 2004年が始まったと思ったら、もう1年の12分の1が過ぎてしまった。あんなに楽しみにしていた暮れのスペイン旅行も、すっかり遠い昔のことではないか。

 12月20日に成田を出発し、29日に帰国という行程だった今回は、久しぶりにアリカンテの友人宅を訪ねることが第一目的だった。そのため飛行機の離発着の拠点はバルセロナに。このバルセロナに降り立ったのはかれこれ8年ぶりのこと。久しぶりというよりも、過去に滞在したのは一度だけ。もう何もかも忘れていてどんな道もどんな店も覚えていないだろう。そう思っていたが、いざ街を歩くとこれがいろいろと覚えていた。あ、このBARで朝ごはん食べた、あ、ここで写真を撮った! あ、この店でぼったくり未遂が発生した!などなど。ただ、残念なことは、バルセロナでは人との触れ合いの記憶がなく、訪ねたい友達がいないことだった。

 出発の日。成田発の飛行機に乗り込むとラッキーなことに隣の席が空いていた。わーい、窮屈な思いをしなくてすむ〜。そう喜んだのも束の間、「ケー パッサーーー!(どうしたんだ!)」と、大きな声がした。顔をあげると、どこかで見覚えのある顔が、前の席から身を乗り出し私に話しかけていた。ゲッ! オマエこそなんでこんなところに!!バッタリと、日ごろ、嫌いだと思っていた友達に遭遇してしまった。

「なんて偶然なんだ! この席、空いてるんだったら座ろうかな?」
「ノ、ノ、ノ、ノ、ノ! ここは空いてるわけではない・・・・・・」 
 首をブルンブルンと振って否定したにもかかわらず、前席の背もたれをまたいでその男は移動してきた。うっそでしょお? 
「大丈夫だよ、問題ない。いやあ良かった! これで長い道中、退屈しないねッ!?」
「・・・・・・。」 

 バルセロナに着いた。道中を共にしたその嫌いな男も、実はイヤな奴ではなく、むしろイイ奴じゃん!ということがわかり、仲良くサッカー観戦する約束をして別れた。まぁ、そもそも嫌いだというまともな理由は初めから一つもなかった。奴が私の友達をこっぴどくフリ、勝手に、オマエに選ぶ権利などない! と偏見を持っていただけのことだった。

 バルセロナの中心街はクリスマスのイルミネーションでキランキランとどこもかしこも輝いていた。予約していたホテルはランブラスの通り沿い。便の良さだけを考えて予約したがかなり古いホテルである。ホテルに着いた。改装を何度も重ねて現存しているこのホテルも、まあ悪くない。ふかふかの絨毯の上を歩いてくねくねとした廊下を部屋へと向かう。すると突然、コツ、コツ、コツ! と、それまでしなかった自分の足音が響きだした。あれ? 床を見ると、途中から絨毯の質が変わっている。心なしか、廊下のインテリアの質も落ちている。部屋に着いた。ゲッ! 使用人部屋か? う、なんだこりゃ! これは・・・・・・、出るに違いない。霊感があったらきっともう見えているんだわ、きゃ〜! しかし、運良く特別な力は持ちあわせていなかった。

 通りに出ると道は人でごったがえしていた。どこかで何かのイベントがあるのかな。そう思い込みながら人の流れに身を任せて歩いてみたが、いっこうに会場には辿り着かない。キオスクでおっちゃんに聞いてみた。「さあ、知らないなあ。でも、こんな年末のいい夜に、家でじっとしていられるわけがないでしょ。それで、みんな表に出て来るんだよ」

 今回の旅はバルセロナに2泊とアリカンテに3泊、そしてまたバルセロナに3泊という慌しい行程で終わった。嫌いだった友達と機内で遭遇したおかげで、バルセロナにも新しい友達が出来た。その友達の一人の家で飲んだとき、ピーナッツ入りのベビースターラーメンをあげたら大ウケだった。それに気をよくした友人の父は、冷蔵庫からCAVA(スペインのシャンパン)を出してきて皆で乾杯にありつけた。恐るべし、ベビースターラーメン。

 バルセロナ最後の夜はBARをテンテンと飲み歩いた。いろんなタパス(つまみ)をつまみながら、久しぶりによく飲んだ。ホテルに戻ると、フロントの兄さんの目が点になっていた。「タクシーがもう着きますよ」と。部屋に入ると、いろいろな物が散乱していた。やばい。急げ! スーツケースに散乱したものを詰め込みながら呟いた。いつもと全く、同じパターンだ。どうやら学習能力も持ち合わせてないらしい。

 今回の旅は、ちっとも旅という気がしなかった。かといって、久しぶりのスペインへ帰ってきたという気もしなかった。いつもいる場所、いつもの仲間、いつものドタバタ。
 そんな感じ。ただ、違うことは、何度も何度も思ったこと。
「あ〜あ、やっぱ、住まなくちゃスペイン!!」
だった。

 今回のスペインの写真です。よかったら見てね!
 http://www.imagegateway.net/a?i=I9wDYwzDwq

 

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