| 沢山のことが一気にうわ〜っと押し寄せてきて、なんだかヘンな心持。 子供の頃、大波を頭からかぶってしまったときの気持ちに似てる。 ずぶ濡れで気持ちが悪いのに、なぜかワクワクしてしまうそんな不思議な感じ。
まず最初にやってきたのは、激痛。
夜中に突然目が覚めた。 うんうん唸るほど激しい痛みの原因は虫歯。治療でかぶせてもらった銀が外れていたのをずっと放って置いたら、こっそりひっそり膿んでいた。 一睡も出来ないまま朝が来るのを待って歯医者さんに飛び込んだけど、麻酔も効かないほどひどかった。 「服よりも化粧よりも、まずは歯をきれいにしなくちゃね。 これを機会に全部ちゃんと治そうね」という先生の言葉に、私は涙でぐちゃぐちゃに滲んだアイラインで目の回りを真っ黒にしたまま、「うん」と素直にうなずいた。 子供のようだと先生は笑っていた。
その後続々とやってきたのは、久しぶりに会う友人たちとの約束。
前の仕事場の友人たちは、虫歯のお陰でソフトドリンクを飲みながら噛まなくていい豆腐を食べる私を見て、「天然記念物だから大切にしなきゃね」と笑いながら言った。 でももう痛みが治まってお酒が飲めるようになったので、大切な天然記念物は絶滅。残念でした。
スペイン留学時代を一緒にすごした小田原の友人は、「久しぶりの京都だから、美味しいもの食べた〜い」と引き続き虫歯治療中の私に言った。 焼肉の丸呑みはちょっと辛かったけど、彼女と一緒にいると何処にいてもスペインにいるみたいで楽しかった。
日本に一時帰国している友人夫婦は相変わらずで、私をほっとさせてくれたし、大学時代の友人は、「最近心の底から笑ってないんよね」と切なくなるようなことを言って虫歯以上に私を心配させた。
そんなこんなの私のもとへ次に押し寄せて来たのは、お仕事。
ラジオのDJをしてる私にとってライブに行くのはある意味お仕事だけど、素敵なライブに出会えると私は自分がDJという仕事に就けた幸運を再確認する。
流しのようなライブを見せてくれるアーティスト黄金井 脩くんは、歌も人柄もそしてお顔もいい。 お笑い芸人のようなMCしちゃうのに、その彼が創るスペイン語の歌はとても美しくスパニッシュギターの音と共に人の心を打つ。
キューバのアーティストManolito y su Trabucoのライブは仕事じゃなかったら行かなかったかもしれない。 それほどその日の私は弱っていた 。だけどキューバのパワーは凄い! リズムに酔いしれてるうちにすっかり元気になった。
DJとしての転換期もやって来た。 “スペイン語がしゃべれる”だけではもうこれ以上前に進めない。 より多くのものをより良い形で提供できるように、自分自身の殻を破らなければいけない。 今までの自分を変えるのは正直とっても不安だけど、道は前にしかないから頑張る。
今年の夏はヘンな夏だった。 いつまでたっても暑くならなかったのに、秋の入り口に立った今頃になって暑い日が続く 。いつもなら家にこもってだらだら過ごす私なのに、毎日外出した。 楽しいことが大好きで頑張るのが人一倍苦手な私なのに、頑張ろうと決心した。 とってもヘンだし心持もやっぱりヘンだけど、きっと通り過ぎれば私の人生になくてはならなかった季節になる。 忘れられない夏になる。
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