ちょっと前のわたしたち

【No.109】11月5日 Meche * 【No.110】11月11日 Sara
【No.111】11月18日 Norie * 【No.112】11月25日 ナオミ

No.112
11月25日 ナオミ(日本)

  いつインターネットを始めたのかあまり記憶にないのだけれど、7年くらい前だったと思う。その頃に比べると、インターネットの世界は大きく変わったな〜、と最近よく思う。
 ハードやソフトの進歩、通信速度の高速化はもちろんのこと、中でも一番変化を実感するのがホームページの数!
 わたしがインターネットを始めたころは、スペイン関係のサイトは数えるほどしかなかった。と言っても、今ほど検索サイトの数もタイプも充実していなかったから、全てを把握していたわけではないけれど、それでもスペイン関係となると、リンクをたどっていけば、どんな人がどんなサイトを作っているのかはだいたいわかるくらいの数だった。
 それが今では、「スペイン」というキーワードで検索をすると、たくさんのサイトがひっかかってくる。スペイン情報専門というところも少なくないし、ちょっと旅行でスペインに行きました!というサイトまで入れたら、本当に数え切れないほどあるのではないかと思う。

 そんなゴマンとあるサイトの中の一つであるアロバ・スペイン。スペインに多少なりとも関係のある知り合いや友だちとインターネットの話をしていて、偶然アロバ・スペインの話が出てくることはまずない。まだ開設から3年に満たないけれど、内容も充実してきたし、もっと知られていてもいいのではないか、もっと知って欲しいな〜、と思うこともしばしば。
 ところが先日、友だちが「インターネットで調べたんだけど・・・」と言って、プリントアウトした1枚の紙を見せてくれた。なんとそれがアロバ・スペインの1ページだった。しかもわたしが書いたもの。「わたしが書いたんだよ」と言うと、驚かれたけれど、こういうことがあるとちょっと嬉しくなって、更新を頑張ろう!という気持ちになる。
 またつい先日、アロバ・スペインではなくてわたし個人のサイトのBBSに「はじめまして」と書き込みがあった。書き込んだ本人は気づいていなかったけれど、知り合いだった。匿名性の高いネット社会だから、本名を名乗ったりしていない限り、なかなか個人を特定しにくい。この時は知っている人だと気付いたけれど、案外知り合い同士で「はじめまして」なんてやってるのかもしれない。これを読んでいる人の中にも、わたしの身近にいながらそれに気付いていない人がいたりして・・・なぁんてね。

 

No.111
11月18日 Norie(バリャドリード)

 スーパーやデパートは、クリスマス商戦に向けてまっしぐら、という感じのスペイン。わたしの腰近くまである大きなお人形や、プラスティック製の楽器など高価なおもちゃもずらっと並んでいる。通りには電球の飾り付けが始まり郵便局ではユニセフのクリスマスカードが売られ始めた。

 「クリスマスは、日本に帰るんでしょ?」といろんな人に聞かれる。去年も一昨年も聞かれて、「航空券も高いだろうし、帰らないよ。」と答えるのだけど、家族や親類が集まる習慣を大切にしているスペイン人、ましてや、小さい村のお年寄りにはそのことが信じられないか、もしくは、かわいそうに、、、と感じられるらしい。昨日も聞かれたのに、今日も同じことを聞かれたりする。

 (ほんとはそれだけではないけど)航空券が高いから帰らない、と言ってるのに、「あ!日本は仏教の国だからクリスマスはお祝いしないんだよね。そうだそうだ。」と勝手に納得する人も出てくる。ここで「日本もクリスマスは、お祝いするよ。サンタクロースがプレゼントを持ってくるアメリカタイプだけどね。」と説明しようものなら、あれは商業主義だ、なんでもアメリカだ、などなど周りにいた人たちまで話に入ってきて、最初の「わたしたちは帰国しない」という話は忘れられてしまう。

 そして、後日「クリスマスは、日本に帰るんでしょ?」に戻るワケなのだ。まぁ、もちろん暇を持てあまして酔っぱらっている一部の人に限られるけど。

 忘れられる、といえば、子どもと約束(例えば、あとから犬と一緒にこの道を散歩するよ、とか。)していて、それを守れなかったので、翌日それを謝ると、きょとん?としていることがある。もうすっかり忘れていたみたい。

 どうでもよいことなのだけど、何かをあげて翌日お礼を言われることもまずない。これは習慣の違いだと思う。「昨日のアレ、美味しかったよー。どうもありがとう。」とわたしが言うと、一瞬の間をおいて「あぁ、あれか。美味しかったか。それは良かった。」という反応が返ってくることが多いし、ずっと後になって、あのときのアレを大事に使ってるよ、という話になることもあって、別に忘れられてるわけでもないのだ。

 おもちゃにもなっている日本のボールペンをあげたら、食べきれない量のリンゴをくれたりすることもあるけど、結婚式の引き出物風のお返し、なんて面倒くさいシステムもない。あげたいものをプレゼントして、喜んでもらえればそれで嬉しい、というわかりやすい社会だ。

 バールでおごられて、「Muchas gracias(どうもありがとう)」と言うと、「Muchas veces」と言うんだよ、と訂正されてしまう。「いつもどうも」という感じだろうか。早速、次から「Muchas veces」とわたしがお礼を言うと、ニヤリとして照れたように本人はさっさと出て行っちゃうのだけれど。

 

No.110
11月11日 Sara(マドリード)

マドリードのサリータです。
あああ〜〜っという間に年末が近づいて、意味もなく焦るこの頃です。何を書こうかと考えても特別には浮かんでこないので、ここ1ヶ月くらいの出来事を書き綴ってみますね。

<中国訪問>
踊りの師匠のクララ舞踊団の中国公演ツアーに同行してきました。
25人の大人数で北京、大連、上海を3週間訪れた。
踊りのレベルが追いつかず、出演の機会はなかったけれど、次回の為にと助手として参加が認められた。ありがたや。
公演は大成功。次回のリピート公演の約束をして中国をあとにすることができた。
おもしろかった事が2つ。
なんせ、スペイン人25人の大所帯!いや、一言で言って、大変だった!(笑)
絵に描いたような人達だ。集合時間には何人か足りない。3週間60回連続の中華料理に文句たらたら、パスポートの紛失、そして夜はお酒で元気いっぱい。
宵っ張り!まあ、私なんて修学旅行の付き添いの先生の気持ちが良くわかっちゃいました。でも、流石みんなプロ、公演はばしっと決めてくれました。
喧嘩あり、笑いあり、涙あり、人間くさいスペイン人アーティスト達と楽しい3週間を過ごしました。
もう一つ面白かったのは、中国の文化。いやあ、驚いちゃいましたね。
もう少しばかりアジアなので、日本に似ているのかと思いきや、漢字を使うところくらいしか似てない私達、カルチャーショックが抜けないです。
北京と上海がまったく違うのも面白かった。北京は歴史の都市、上海はハイテク都市。東京も10年もしたら追い越されちゃうかも。登ってびっくりの万里の長城。天安門広場の後方に広がる紫禁城は、あの映画「ラスト・エンペラー」の地。
ラスト・エンペラーが亡くなってまだ40年くらいしか経ってないのよね。帰ってから映画を3回見て、うーんと唸るばかりです。
体制が変わってから、きっと中国は他の国が1年過ぎる間、7年分くらい進んでいるのね。
中国恐るべし。60回テーブルで廻っていた中華料理は一度もリピートする料理はなかった(炒飯等は除く)。中華料理恐るべし。

<スペインの結婚式>
同じ舞踊団で、今週は結婚式のお祝いの踊りの仕事に行ってきた。
今回は、非常にお金持ちの結婚式だったらしい。まあね、舞踊団丸ごと祝いの席で踊らせちゃうんだからね、すごいね。
場所は、サラマンカの巨大ホテル。ホテルにゴルフ場がついてるところくらいまではわかるけど、プライベートの闘牛場とか、生ハム工場持ってるそうだ。
流石に驚いた。そこのオーナーの娘さんの結婚式だった。しかもオーナーは他にも沢山ホテルをもってるらしい。
舞踊団の拘束時間でちょっと驚いた。夜9時から朝の6時まで。いやあ、スペイン人の結婚式は盛り上がるっつーか、しつこいというか....
プログラムは9時に1時間のショー。その後は、深夜の1時、2時、3時.....と1時間毎にフラメンコショーをやるという事。
宵っ張りのジプシーのギターリストや歌い手さんもびびる企画だった。
さて、夜9時に新郎新婦の入場からはじまった頃は250人くらいの招待客はとてもエレガントだった。9時のショーを私達も無事に終え、食事に招待された。
いや〜超高級ワイン、自分の工場の超高級生ハム、なかなか本物にありつけないウナギの稚魚が山盛り、これが前菜。その後、肉だの魚など、それはもう、千夜一夜物語に出てくるような豪華で美味しい食卓でした。
さて、招待客も時間毎にどんどん酔いがまわっていくのが目に見えてわかった。夜の1時のフラメンコショーは一応座って静かに見ていたけれど、2時以降はもう、座ってじっと見てるのが我慢できないスペイン人達。もう春祭り状態に突入してしまったのです。お客様の集中力がなくなると、フラメンコをみてもらうのはなかなか難しいものです。(笑)大まじめにやっても、ノリは、「おねーさん、あとで、もう1度セビジャーナス踊ってね〜」.........
フラメンコショーの間には生バンドが入って流行の曲を歌い、招待客も踊りまくります。
ああ、やっぱり.....そうそう、アセレヘ。4時頃には、へべれけでアセレヘ踊りの連発です。(今年の夏のヒット曲)
4時のショーの支度を不安そうにしている私たちに、オーナーの方から伝言で、もう充分会場は盛り上がったので、舞踊団の皆様もどうぞ会場に混じって楽しんで下さいということで、私たちも一気にフィエスタ!
5時半にバスに乗ってマドリードに向かう私たちの運命は......
そうそう、トイレが近くてしょっちゅう止めてもらわないとマドリードに辿り着かなかったのでした。
おめでたいお仕事でよかった、よかった。

さて、これから、年末に向けて、仕事もお酒も?ラストスパート。体調に気をつけて頑張りましょうね!

Sara Ayako Ishikawa

 

No.109
11月5日 Meche(京都)

 マドリードから、3人の女の子が京都へやって来た。初めての日本に、彼女達は” ? ”でいっぱい。

 日本人が当たり前のようにするジェスチャーも“ ? ”。和式トイレはどっちが前” ? ”。ウォシュレット付きのトイレに入ったときなどは「うひゃひゃひゃひゃ〜〜〜!」と個室内から奇声が聞こえる始末。どこを洗っとるんじゃ“ ? ”。要らぬ心配をする私。

 そんな彼女達の“ ? ”の1つに、日本人の宗教観があった。他の国と比べると、日本人はあまり宗教や宗派にこだわらない。クリスチャンの彼女達にしてみれば、“ ? ”。確かに、神社とお寺が混在してて、人々の多くは、そのどちらにも参拝する。八百万(やおよろず)の神を信じる日本人にとっては、どの神様も有り難い。日本のおめでたい象徴の1つである七福神だって、実はとっても国際的で、日本出身の神様は一人だけ。

 “ ? ”を抱えた彼女達をつれて、私の飲み友達が神主をしている神社を訪れた。彼は普段あんまり入る機会のない、神殿の中を見せてくれた。みんな興味深々。

 「日本は昔、トンボの国と呼ばれていたんだよ。」彼が一枚の写真を指差す。ん?なんか形が変だぞ・・・。えっ!?「交尾中の姿が日本の形なんだよ。だからトンボの国なんだ。」まじめな顔で彼が答える。そ、そうなんだ・・・それは日本人の私も知らなかったよ。ちょっと照れながら壁に目をやると、そこには天狗とお多福のお面。嫌な予感。「天狗の鼻が男性器で、お多福のほっぺたが女性器をあらわしているんだ。」まじめな顔の彼。あぁ、やっぱりそうなのね・・・。「繁栄の意味があるんだよ。」「それは解るけど、神聖な場所に・・・。」ひるむスペイン人たちに私もひるむ。しかし真面目な神主の彼は一向にお構いなし、「彼女達は日本酒は好き?」とお神酒を運んできた。古事記と神道のおおらかさをおつまみに乾杯! 彼女達が呟く・・・「神社でお酒を飲んでもいいんだ。う〜ん日本の宗教ってやっぱり“ ? ”。」

 そして数日後、彼女達は来たときとは形の違う“ ? ”を抱え、たくさんのお土産と共にスペインへ帰っていった。

 私達が毎日を普通に過ごしている日本。でも実は“ ? ”がいっぱいのワンダーランド。そう考えるとちょっと楽しい。

 

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