ちょっと前のわたしたち

【No.50】9月3日(むく) * 【No.51】9月10日(ナオミ)
【No.52】9月17日(Maki) * 【No.53】9月25日(Meche)

No.53
9月25日 Meche(京都)

 「えっ!?」
テレビでそのニュースを見たとき、一瞬何が起こったのか分からなかった。まるで映画のような画像、それはアメリカで起こった同時多発テロだった。

 「テロ」「テロリズム」は、暴力や威嚇という方法で、その思想を世に知らしめる主義のことだけれど、これまでにテロによってそれが正しいと認められた主義思想などない。暴力が生み出すのは、いつも多くの悲劇だけだ。

 私はたくさんの外国人とともにラジオ局で仕事をしている。習慣も、考え方も、信仰している宗教もそれぞれ違うから、問題はしょっちゅう起こる。でも大丈夫!だってそこには、お互い理解し合いたいという気持ちがいつもあるから。理解した上で認め合いたいという思いが、私たちを結び付けている。

 個人レベルなら手を取り合えるのに、どうして国レベルでは無理なんだろう。どんなにたくさんの国があっても、私たちは地球という1つの家の同居人なんだよ。

 私たちはとても愚かな生き物で、何度も同じ過ちを繰り返してしまう。自分の信じるものが正しくて、それに沿わないものは間違っていると思いがちだ。「テロ」は決して許される行為じゃない。けれどその思想の中で、それが正義だと教えられ育ってきた者たちも、もしかしたら被害者なのかも知れない。そしてまた、武力による報復は、相手に主義思想を知らしめるために暴力行為を良しとする「テロ」と何も変わらないと思う。悲しみはまた新たな悲しみを呼び、終わりの無い復讐は続いていく。

 「正義のための殺人」、それはほんとに正しいことなの?人の命を犠牲にしてまで守らなければいけない正義って何?

 たくさんの人々が命を落とし、今も混乱の状況の中で苦しんでいる。それを思うと、涙がこぼれる。

 この事件で尊い命を失われたすべての方々のご冥福を、心からお祈りします。

 

No.52
9月17日 Maki(横浜)

 昨日、生まれて初めて髪を染めてみた。
 といっても、別に赤とか紫のような突飛な色に染めたわけでもないし、一時期の女子高生のように金髪だか白髪だかわからないような色に染めたわけでもなく、ほんの少〜し、茶色っぽくしてみただけなんだけど。 「あんまり茶髪っぽくならないように、見た目が軽い感じになる程度で」 と慣れ親しんだ美容院のいつものお姉さんに相談すると、
「じゃあグリーン系がいいかな」
「ぐ、グリーン?!」
 一瞬私の頭には、子供の頃よく読んだ、ニンジン色の赤毛を黒髪に染めようとして緑色になってしまった「赤毛のアン」の話がよぎる。 「グリーンっていってもね、みどり!っていうんじゃなくて、くすんだ茶色系っていうか、そうだねえ、枯れ葉っぽい落ち着いた色だよ。派手にしたくないなら、いいと思うよ」 ・・・そういう美容師さんを信じて、やってみた。

 私はこれまで、髪を染めたことは一度もなかった。別に理由は特に ないけれど、染める必要性を感じなかったのだ。もちろん中学生の頃は「髪を染める」=「不良」だったけれど。 実は私は生まれつき髪がちょっと茶色っぽかった。高校生〜大学生時代には、パーマをよくかけていたせいかもっと茶色くなってしまい、色そのものは何もいじっていないのに、「何色のカラーリングしてるの?」と聞かれたこともあったほど。 だけどどうやら髪の色は薄くも濃くもなるらしい。ここ1,2年の私の髪は、真っ黒でこそないものの、なぜか昔よりずいぶん黒かった。 いくら短くしても、削いでも重たさがとれずすっきりしないので、今回は思い切って(?)カラーリングしてみたというわけだ。
 結果、成功。枯れ葉系ブラウン。なかなかいい感じで、気に入った。 光の当たり加減で抑え気味のブラウンが微妙に違った色に見えて、面白い。ちょっと、ウキウキしてしまう。 髪型を変えると、それだけで気分が明るくなるのは不思議だ。

 1年間のスペイン滞在中は、11ヶ月間美容院に行かなかった。 マドリード在住中に美容院に行きそこねたまま小さな村に引っ越したこともあり、スペインを訪れた両親には「いい加減に美容院に行きなさい」と言われたほど伸び放題で、重たかった。 さすがにこれはヤバイ。そのあとすぐに、ちょうどマドリードに行ったので初めてスペインの美容院というものに行ってみた。その時はシャンプーとカットだけしかしなかったけれど、洗い方も、洗髪台のイスも、切り方も、美容院も国によってずいぶん違いがあるものだと思った。 行く前はちょっと心配だったけど、行ってみると面白かった。もちろん、日本よりずっと安い。こんなことなら、もっと頻繁に行っておけばよかった。

 今度スペインに行ったら、また美容院に行って、今度はカラーリングも してみようかな。日本とは違う、“情熱の色”に染まるかも、なんてね。

 

No.51
9月10日 ナオミ(日本)

 スペインとは全く関係のない話になるけれど、一週間ほど前から、能登半島に来ている。

 今回は2年ぶりなのだけど、ほとんど毎年のように訪れている能登のユースホステルにずっと滞在していて、何をしているか、というと、ひたすらパソコンに向かっている。出発前は、「海でも眺めて、のんびりして、ごろごろして、ちょっとくらいはお出掛けなんかもして...」なぁんて思っていたのだけど。

 スペインではユースホステルって利用したことがないけど、6、7年前までは日本国内を旅行するときはよく利用していた。でも、このユースに出会ってからというもの、ここ以外のユースにはぱったりと泊まらなくなってしまった。

 今回は「旅行」と言うのには気がひけるほど、どこにも出かけていない。ずっとユースに缶詰めで、昨日、隣町の温泉に出かけるまでは、ユースから半径10メートル以内、そう、隣の家の前くらいまでしか外出(?)はしていなかった。

 それでも、仕事(?)の合間に、目の前の海をボーッと眺め、海の中の生物を観察したりして、結構楽しく過ごしている。いろんな種類の魚はもちろんのこと、イカやタコまでもが気持ちよさそうに泳いでいるので、見ていて飽きない。

 今朝は5時に起きて、散歩に出かけた。漁師の多い町なので、早朝は独特の雰囲気がある。ほとんどの漁船はすでに出払っていて、遅出の船がボッ、ボッ、ボッと漁に出かけていく。普段のわたしの生活だと、朝5時に眠りにつくことなんてしょっちゅうなのに、この町の人たちはもう働いているのだ。

 本当に小さな町で、ここの良いところは「何もないこと」なのだけど、このパソコンの おかげで、ちょっともったいない過ごし方をしているのかもしれない。

 

No.50
9月3日 むく(マドリード)

 8月のある土、日でValencia近郊のEl Salerに一泊の小旅行を楽しんできた。 仕事で観光地に行くことはあっても純粋な旅行は久しぶりである。

 朝早い便でValenciaに着きホテルに入った。チェックインの時間にはまだ間があるので荷物を預けて早速プールに入る。泳ぐのも何年振りだろう。しばらくプールで遊んだ後、テラスのバールで冷たいものを飲み、そしてホテルのチェックインを済ませた。

 早めの昼食を済ませて今度はホテルのプライベートビーチに行く。これまた何年振りかの海水浴だ。砂浜が続いているのだが不思議なことに波打ち際だけは小石である。海水に浸かったり日光浴を楽しんだりした後に部屋に戻った。

 Valenciaには仕事でしか行ったことがない。Valenciaに行く度にオレンジやレモンの木はよく見かけ、さすがバレンシアオレンジの産地だと納得していたものだった。が、タクシーから眺めたEl Salerの近郊の稲田の眺めが圧巻であった。Valenciaは米の産地だということは知っていたが、見渡す限り一面の稲田は印象的であった。9月下旬には刈入れと聞き、久しぶりに日本の田舎の稲の刈入れ風景を思い出してしまった。途中立ち寄ったカフェテリアでは相方がお店の人に頼み、お店の裏にある稲を数本抜いてもらっていた。いかめしいお店の人が丁寧に同じ茎の太さの稲を選び、わざわざ編んでくれてブーケのようなものを作ってくれた。日本の稲に比べ茎はより太く、より短い稲であった。

 土曜日の夕方に市内観光バスに乗った時に印象的だったのが近代博物館であった。時間があったのでタクシーに頼んで博物館に寄ってもらった。駆け足で内部を見ただけであったがなかなか興味深い展示物があった。宇宙空間を体験できるバーチャル映画館にも興味を引かれたが、時間がなく博物館を後にした。

 Valenciaには音楽博物館や他にも建設中の博物館がある。一泊二日の短い旅行ではなく、今度はゆっくり来たいという思いを強くした。急遽行くことにしたのでほとんど期待していなかったのだが、意外に興味を引街であるValenciaを少しは知ることが出来て、楽しかった一週末であった。

 

 

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