ちょっと前のわたしたち

【No.33】5月7日(むく) * 【No.34】5月14日(ナオミ)
【No.35】5月21日(Maki) * 【No.36】5月28日(Meche)


No.36
5月28日 Meche(京都)

 わたしには同居人がいる。メスの三毛猫で名前はチャッキー。結構な年齢なのに子供のような声で鳴く。引っ掻いたり噛み付いたりもしない、本当の甘ったれちゃん。今も原稿を書くわたしの膝の上でひたすら眠ってる。

 彼女を連れてきたのは妹。「スーパーマーケットの駐車場で、とても嬉しそうに鳴きながら走って来たから、かわいくておいてこれなかった。」と言っていた。それを聞いてわたしは思った。わたしもかわいくなろう!ところが彼女のママ役だった妹が、わたしとチャッキーを残し韓国へ留学してしまった。だから今では猫アレルギーのわたしが彼女のママ。「だめだめ、そこから降りなさい!」「あぁ、もう、危ないからやめなさい!」。そして、目指すかわいい女は今日も遥か彼方・・・

 彼女はいつもおうちの中で暮らしてきた。何度か脱出して、外の世界を楽しんだことはあったけど、呼ぶと走って帰ってきた。ノラだったのに驚くほど臆病。その彼女が最近お庭で遊んでる。首輪に紐をつけての外出だけど、彼女はとても嬉しそう。小さな生き物を見つけては勝負を挑むチャッキー。この間はアリに手を出して噛まれ、鳴きながら(泣きながら?)帰ってきた。あぁ、なんて可愛いわたしのおバカちゃん。思わず抱き上げてキスをしてしまう。おかげで最近のわたしは、ママぶりに磨きがかかる一方。

 このままではいけない。かわいい女になる前に、結婚をしてベビーに会う前に、わたしはりっぱなママになってしまう。ヤバイ、何とかしなくっちゃ。そんな気持ちと眠気とで、思考能力が弱っていたわたしは、深夜のTVショッピングでダイエット用の器具を買っちゃった。今のわたしにはちょっとしたお値段。なのになのに、まだ何の効果も出ていないのに、すでにその器具は傷だらけ・・・わたしが美しくなる努力を怠っている隙に、彼女が爪を研ぎ美しさに磨きをかけていたのだ。あぁ、チャッキー、わたしは今日もママらしく、あなたを叱らなくっちゃいけないのね。

 通りがかったお寺の入り口にこんなことが書いてあった。「子供を産んで親になるのではなく、子供を育てて親になる。」。はい、ごもっとも。

 

No.35
5月21日 Maki(横浜)

 1年間のスペイン滞在から帰国して1ヶ月半がたった。
 やはり最初は街中の雑踏に馴染めず、日本人だらけ、日本語だらけという「当たり前」のことがとても奇妙に思えた。慣れなくちゃと思う一方で、慣れたくないという気持ちがあったのも事実。もともと日本人なのだから、日本の生活に再適応するのは 時間さえあれば簡単。でも慣れれば慣れるほどスペインから遠ざかっているような、スペインで生活していた自分の1年間が夢のようになってしまうような、そんな気がしてならなかった。(要するに、あきらめが悪いタイプなのだ。)

 まあ、そんなネガティブなことばかり言ってられない。だだっ子のようにスペインの空気を求めていた私も、さすがに日本の生活に慣れた。日本在住のスペイン好き仲間とスペインの話をする時が、今の私にとってのささやかなミニ・スペインである。そして、まだまだ遠い道程だけれど、1年間のスペイン滞在経験があってこその新たな目標を確信することもできた。(もともと、目標がないとやる気がでないタイプなのだ。)

 そんな中で、2人の大事な友人が新しい道へ出発する。
 1人は、大学時代の一番の親友。大学4年間ほとんどの授業を一緒にとっていて、どんな走り書きでもお互いのノートは解読できるという仲(笑)である。彼女を含め4人の仲間で行った大学卒業旅行が、記念すべき私のファーストスペインだった。人生観を変えたあの旅行からはや5年。今や私はスペインにどっぷり浸かった人生を歩み、彼女はフラメンコにどっぷりである。そんな彼女が、仲間の先陣を切ってこの6月に結婚する。1年前の今ごろには、「誰かいい人いない?運をわけて〜」なんて言ってたくせに、「彼氏ができた」報告の後はあれよあれよとスピードゴールインである。

 もう1人は、私のスペイン行きを精神的に助けてくれた人。新卒で働いていたころの職場の先輩の女性だ。先輩といっても、派遣社員さんだったので私より先に職場を去ってしまったのだが、いつもいろいろなことを教えてもらった。仕事を辞めてからもメールで連絡を取り合い、留学やボランティアなど海外経験の豊富な彼女から、時には優しく時には厳しく、たくさんのアドバイスをもらった。そんな彼女がこの5月末、以前留学していたというオーストラリアに行く。昨年知り合ったオーストラリア人の彼との結婚準備だそうだ。彼女いわく、「不思議なもので、オーストラリアに住みたい、英語を使って働きたいと切に願っていた頃にはチャンスが全くなくて、そんな事を考えていない時に限ってその機会が訪れました。人生ってそんなもの?」

 きっと、そんなものなのかもしれない。本当に、そう素直に思うようになってきた。人との出会いも、仕事も、将来も、夢は自分次第できっとかなうもの。あとは運命の巡り合わせなのだろう。あせらずに、一歩一歩、夢を持って素敵に生きていきたいなと思う今日この頃である。30歳になっても、50歳でも、80歳でも、素敵に生きていたい。
 もちろん、スペインへの情熱は冷めることはないのだ。

 

No.34
5月14日 ナオミ(日本)

 GW明けの一週間はボーッとしているうちに終わってしまった。
 「GWどっか行った?」
 「ううん」
 「そっか。スペインへ行ってきたばかりだもんねぇ」
 スペインかぁ。もうずーっと昔のことみたい。まだ1ヶ月半しか経っていないのに。

 実際、GW中のお出掛けは2回。と言っても、「お出掛け」とは言えない くらい近場なのだけど。
 1回は名古屋を中心に活動している劇団の公演。毎年、スペイン関係の作品を上演していて、今年は『ドン・キホーテ』だった。この劇団に対しては前衛的で独特のスタイルを持っている印象があったので、実は、行こうかやめようか迷った。自分の抱いている『ドン・キホーテ』のイメージとのギャップを恐れて。その一方で、一体どんな風に表現するのか、という興味もあって、結局、好奇心の方が勝った。結果、想像していたよりも癖がなく、良い意味で裏切られた作品だった。

 もう1回のお出掛けはミュージカル『エリザベート』。
 「エリザベート、観にいこうよ」
 「え?チケットは?」
 「ない。でも、ネットオークションという手があるさ」
 と、そんなこんなで、公演前々日にオークションでチケットを落札。日にちやキャストを考えても、そう簡単には取れそうもない公演のチケットはあっさりと手に入った。しかも、定価よりかなり安く。こうなるとオークションって面白いかも!と興味がわいてきた。

 ネット上の売買は少なからず不安がつきまとう。つい最近もネット詐欺の記事が新聞に掲載されていたし、どうしてもリスキーな印象がある。でも、オークションのサイトを見ていると、探してもなかなか見つからないようなものがポンポンと出てくるから面白い。オークションに限らず、様々なショップを見ているのは楽しいのだけれど、ちょっとイイナと思っても、料金やリスクのことなどいろいろ考えると簡単には注文できないでいる。

 @Spainでも先月、オン・ライン・ショッピングのコーナーを開設した。そして、もうすぐ@Spain直営のショップもオープンする。いいな、欲しいな、と思っても、そんなに気軽には注文できないのを実感している わたしは、どうしたら、安心して気軽にショッピングを楽しんでもらえるかなぁ、と考えている今日この頃だったりする。

 

No.33
5月7日 むく(マドリード)

 いよいよソフトボールの練習が始まった。

 日本人会では年2回、5月と10月にソフトボール大会を開催している。20年近く続いている歴史の長い大会であるが、最近は日本企業の撤退、人員削減などで参加者が減り、参加チームが6チームと少なくいささか寂しい限りではある。

 参加6チームの内の1つはスペイン人のファミリーチームである。スペインにも数は少ないが野球、ソフトボールのチームがある。このチームの長老が日本レストラン関係者を知っていた関係で、現在の会場であるスペインの学校の野球場を借りることが出来るようになった。このグラウンドにはダッグアウトもついている。

 10人で1チームというルールがあり、女性2人、40代以上の男性3人、残り5人は制限なしというメンバー構成である。女性も参加出来るように考慮してあるので、一家で来られるところも多く、日本人会の恒例行事になっている。

 我がチームは結成10年のアミーゴス。日本レストラン3軒、旅行代理店、美容師、会社員、学生などがメンバーのそれこそアミーゴスの集まりである。アミーゴスは強豪チームといつも言われながら優勝にはそれほど縁がない。春1回、秋1回の2回だけである。参加チームが多かった時にはそれこそ毎回優勝チームが違っていたが最近はあるチームの連覇が続いている。途中アミーゴスが1回秋の優勝を勝ち取ったが。

 子供たちのチームがお父さんたちのチームに勝ったり、ファインプレーあり、逆転ありと、大人も子供も熱中している。スペイン人のチームは最初ソフトボールに慣れていなかったこともあり弱いチームであったが、最近はなかなか強く侮れない存在になっている。

 アミーゴスの練習は住宅地の一角にある空き地を利用して行なっている。結構みんな張り切って練習しているが、筋肉痛になる人もいる。若い人は練習の翌日筋肉痛が起こるらしい。少し年を取ると一日間を置いて筋肉痛が起こるらしい。では、練習しても筋肉痛が起きなくなった僕はどうなるの?(笑)

 

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