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とある友人に頼まれて陶器の買い付けに行ってきた。マドリードの南、
トレド県にあるタラベラ・デ・ラ・レイナは、白地に青やピンク、緑、
黄色などの鮮やかな彩りの陶器で有名な町。わたしたちには目当ての
窯元があるので、もう少し東にあるエル・プエンテ・デ・アルソビスポ
という、ここもまた陶器で有名な小さな村まで足を伸ばした。
他人のための買い物だけど、陶器をたくさん買うのは楽しい。点描画の
ような細かくて華やかな絵付けの陶器に囲まれて興奮気味になる。
機械的に注文の品をピックアップしてまわるダンナの目を盗んで、
自宅用のコーヒーセットを品定めしていたのだけど、何しろ家族経営の
小さな窯元なので、在庫が少なく、目をつけたコーヒーセットは友人用に
ピックアップされてしまった。
わたしがガッカリしていると、おばあちゃんが「これはね、先週息子が
作った花瓶だよ、ほ〜らキレイでしょう?それはね、わたしが絵付けを
した大皿。重いから腕が痛くなるのよ。」それもこれも欲しいんだけど、
一番欲しいのは、あのコーヒーセットなの、おばあちゃん。「こういうのを
作ってくれ、と予め連絡してくれれば作っておくから。」単品で売られていた
コーヒーポットを片手に、似た感じのカップやミルクピッチャーを
ウロウロ探していたわたしに、ご主人が嬉しいことを言ってくれる。
玄関に傘立て用の大きな壷を置いて、絵皿時計をサロンに飾って、
パティオには植木鉢と絵皿。コーヒーカップとお揃いのピッチャーから
注ぐ暖かいミルク。夢のような光景だ。
頼まれ物が揃わなかったので、他の窯元へ。どこも個性があって楽しい。
12歳からロクロを回していたというおじさんは、魔法のように次から次へと
灰皿、花瓶、水差し、と作り出す。お店にいたときは無口だったのに、
工場に入ると急に生き生きと工程を語ってくれる。お店から工場に行くとき
通った自宅やパティオは、ついさっき、わたしが夢に見た光景そのもの。
興奮気味のまま、村にある唯一のオスタルに帰って、そこの陶器売り場を
覗いてみた。と、目が妙に離れていて厚い唇の魚形の鍋。マズイ。
ダンナは大喜びで、「お前にそっくり〜」
結局、自宅用に買ったのは、魚形の鍋。なんか、わたしの夢と大分違う。
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