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サンティアゴ・デ・コンポステラ

到着地
ア・コルーニャ、ビゴ

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レオン、サラマンカ

CHATAのスペイン一周つまみ食い

● ア・コルーニャ、ビゴ ●

 ここガリシアは国内最大の漁獲高を誇る魚介類の宝庫。ポンテべドラの魚介祭りにオウレンセのタコ祭り、イワシ祭りにカキ祭りなんてのもあって魚介好きにはたまらなく魅力的な場所である。はたまたアルバリーニョやリベイロのワイン祭りに栗祭りまで開催され、ガリシアの祭りカレンダーは花盛りなのである。

 バールのカウンター上に気になる物体がある。名物エンパナダである。一応はパイなのだがバターたっぷりの層のあるタイプではなくラードで練ってあるサクサクタイプ。ロモ(豚ロース)やポジョ(鶏肉)だけならまだしもベルベレチョ入りやタコ入り、おまけに八目うなぎやサバ入りまである立派な惣菜パイなのだ。青身魚を使ったパイとはなんともオドロキである。

  旅先での楽しみの一つが卸市場巡り。今朝水あげされたばかりの艶やかな魚介類が跳ね上がる。エビ・カニなどの甲殻類や貝類の種類も豊富で大・中・小とお好み次第。ボガバンテ、ランゴスタにランゴスティノ、セントジョ、ネコラ、サンブリーニャ、ベルべレチョ etc...。名前なんぞまでここで覚えていたらきりがない。あまりの迫力。

  無論、レストランのショーウィンドーも豪快極まりなし。メルルサがギラリとした目を光らせて自らの尾部にガブリと喰い付いたポーズで睨みを利かせ、カニもクモのような細長い手足をゴソゴソさせ魅惑的に手招きをしている。テーブルに着くや否や、周りの客を見渡す。貝類のオンパレード。メヒジョネスはさっとワイン蒸し。黒い光沢のある貝を歯に軽く引っかけて外すとむっちりとした身が潮の香りと一緒に口の中に滑り込む。ナバハスはザッと焼いてレモンをたっぷり。デカイ!砂もきれいに抜け臭みもない!貝とは思えない歯ごたえと食べごたえだ。

 ペルセべスがこりゃまた凄い!テーブルに運ばれると一瞬引いてしまう程、様相はお世辞にも美味しそうとは言えない。日本でも捕れるらしく、その名も”亀の手”。先端の爪のように固い部分と黒い部分を手に持ちプチリと厚めの皮を折るように破ると汁が勢いよく飛び散る。グロテスクな外見とは反対にツルリとした身が現れる。身を歯で引き出し、殻に残った汁も残らず吸うと何とも言えない絶妙な塩味が口の中に広がる。この一連の作業が加速し異常なスピードで繰り返される。ペルセべス祭りもあるというから、亀の手に捕まったのは私だけではないようだ。スーツ姿の男性もネクタイを後ろに廻して格闘しているのがなんだか可笑しくて仕方ない。

 食べるのに専念しながらも時々リベイロで口をすすぐのだが、ここでまた面白い物が出現する。クンカと呼ばれる日本のお猪口のような白い陶器で飲む習慣がここにはあるのだ。

 お菓子では忘れちゃいけないのがフィジョアス。これがポルトガル経由で海を渡り来日し、南蛮料理の中の”ひりやうす”という名で親しまれ、現在でも関西では”ひろうす”と呼ばれる食べ物の本来の姿だと言われりゃ食べずにはおれぬ。が、このフィジョアスとやら、どう見てもクレープなんだが・・・。

 リアス・アルタスからリアス・バイシャスへ移動。カキで有名なビゴを通り過ぎる訳がない。シーズンには生でも食べられる。殻も身も丸くて日本のカキよりあっさりと独特の匂いが少ないような気がする。

 カキだけではない。ケイマダという飲み物もこの辺りの名物だ。ガリシア地方のオルホは通にはよく知られているが、その名のごとくケイマダは火をつけてしまうのだ。

 ゆったりと潮風を浴びながらの散歩は気持ちの良いものだ。エプロンをした太ったおばさんが巨大な鍋から慣れた手つきで引き上げたのは、驚いたことにプリンとした大タコ。さっき茹でたばかりのタコを豪快に切り分け、塩、パプリカにオリーブオイルをざっとかける。プルポ・ア・ラ・フェイラの誕生だ。フェイラとはカステジャノではフェリア。これこそ”祭りタコ”なのである。丸い木の皿に盛って出されるインパクトの強さのお陰かプルポ・ア・ラ・ガジェガの名を襲名しつつあるのだが、ア・ラ・ガジェガを名乗るには名物のじゃがいもを加えなくてはいけない。ここで注意しなければいけないのが、ただ同じ皿に茹でたじゃがいもを添えただけなら、プルポ・ア・ラ・フェイラ・コン・カチェロスとなり、本来のプルポ・ア・ラ・ガジェガとはじゃがいもと共に煮込んだ全く別の料理なのだという。ややこしい話である。

魚介類
スペイン語名称リスト

(太字は本文に登場するもの)
カマロン
camaro'n
小エビ
ボガバンテ
bogavante
ロブスター
ランゴスタ
langosta
伊勢エビ
ランゴスティノ
langostino
クルマエビ
ガンバ
gamba
芝エビ
シガラ
cigala
手長エビ
セントジョ
centollo
クモガニの一種
ネコラ
ne'cora
小型のワタリガニの一種
サンブリーニャ
zamburin~a
イタヤガイ科の二枚貝
ベルべレチョ
berberecho
ザル貝
ミンチャ
mincha
ツメ貝
カバジャ
caballa
サバ
サルディナ
sardina
マイワシ
ボケロン
boquero'n
(= xouba)
ヒシコイワシ
ランプレア
lamprea
八目ウナギ
オストラ
ostra
カキ
メヒジョン
mejillo'n
ムール貝
ペルセベ
percebe
亀の手
ラペ rape アンコウ
レングアド
lenguado
舌平目
ロダバジョ
rodaballo
カレイ
サルモン
salmo'n
ラヤ raya エイ
ルビナ
lubina
スズキ
モレナ
morena
ウツボの一種
プルポ
pulpo
タコ

*エンパナダ
かつて狩猟や遠征に出かける際にパンと具を一緒に持ち運んだ手段がエンパナダであり、現在のスペイン人の生活に欠くことの出来ないボカディージョの原形だと言われる。

ペルセベス
(↑)ペルセベス

*リベイロ
オウレンセ地区を中心にポルトガルに至る広い地域で生産されるガリシア地方で最も有名な辛口ワイン。赤ワインも生産しているが圧倒的に白が中心で、約3500ヘクタールにも及ぶ農地面積のうち500ヘクタールもが白ワイン用の葡萄にあてられている。賢王アルフォンソ13世も愛飲したという。

クンカ
(↑)クンカ(右手前)

*フィジョアス
フィジョアス(filloas)はガリシア風クレープに他ならない。実はガリシアにはフレイショス(freixo's)という揚げ菓子が別に存在し、どちらかがポルトガルでは綴りが多少変わりフィジョウス(filho'se)となったようなのだが、作り方やその歴史から後者のフレイショスの方が一般に伝えられている前者の説よりも有力候補なのである。

*ア・ラ・ガジェガ
スペイン最大の農産高を誇るじゃがいもと他の魚介類を煮込む場合のガリシア地方独特の調理法を表わす。ガリシア産のじゃがいもはカチェロスと呼ばれ、その名に由来してガリシア料理の添えにつけられるじゃがいも料理も同様にカチェロスということがある。

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 スペインの味に挑戦!今回のチャレンジレシピ
エンパナダ・ガジェガ (タコ入り)

《 材料 》
パイ生地
トウモロコシ粉 150グラム、 薄力粉 250グラム、ラード 150グラム、卵 1個、水1.5デシリットル程度
フィリング
タコ 500グラム、玉ねぎ 500グラム、ラード 100グラム、パプリカ 少々、塩 適量、オレガノ (好みで)

《 作り方 》
1. 2種類の粉をよくふるい合わせて台に広げ、山形に盛り上げる。
2. 粉の中央を陥没させて、少し柔らかくしたラード、溶き卵、水を加え全体に合わせる。
3. 材料が完全に合わさり生地が馴染んだら、台に打ち粉をしてローラーで厚さ約1cmに広げる。
4. 同じ大きさの生地を2枚用意し、1枚をオーブン用の皿に敷く。(台部分)
5. フライパンに油を熱し、薄い輪切りにした玉ねぎを充分に色が付くまで炒める。
6. 玉ねぎをパプリカと塩で軽く調味する。
7. 小さく切ったタコを加え、数分間煮込み、味を整える。
8. 台となる生地に用意したタコを玉ねぎと共に均等に広げる。
9. 残ったもう1枚の生地の中央に軽く穴を開けてから、台の生地にきれいに被せる。
10. 中央の穴からフライパンの残り汁を全て入れてから穴をふさぐ。
11. 周囲を上に巻き込むように完全に閉じる。
12. 溶き卵を上部に薄く塗る。
13. 事前に用意したオーブンで20分程度で焼き上げる。

※ パイ生地は材料を全体に合わせた後、30分以上寝かせた方がよい。オーブンは180度程度に設定。卵の濃度によって焼き色が違うので注意すること。フィリングはここではタコと玉ねぎだけのシンプルなものだが、魚、貝などをメインに色々とアレンジすれば面白い。



【 今までの経路 】  マドリード  マドリードとアランフェス、チンチョン  トレド  シウダー・レアル、アルバセテ  テルエル、サラゴサ  ログローニョ  パンプロナ  サン・セバスティアン  ビルバオ  サンタンデール  ヒホン・オビエド  サンティアゴ・デ・コンポステラ  ア・コルーニャ、ビゴ


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