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ヒホン、オビエド

到着地
サンティアゴ・デ・コンポステラ

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ア・コルーニャ、ビゴ

CHATAのスペイン一周つまみ食い

● サンティアゴ・デ・コンポステラ ●


 ルゴより更に西へ突き進みサンティアゴ・デ・コンポステラへ向かう道のりは、9世紀初頭にキリストの12使徒の中の一人である聖ヤコブの墓が発見されて以来、ローマ、エルサレムに並ぶ3大聖地の一つとされ、多い時には50〜100万人の人々が通過したという巡礼街道である。今でも4年毎にオリンピック競技会のごとく開催される巡礼ツアーには世界中から参加者が訪れている。

 聖ヤコブはスペイン語でサンティアゴ、フランス語ではサンジャック。つまりフランスでいう帆立貝の呼び名である。ここで、聖人と帆立貝がどう関係があるのか探ってみると、本来は、巡礼を無事終えた証拠として巡礼者たちが持ち帰ったのが始りで、後には巡礼をする者の目印として体のどこかに身につけたと言われている。という訳で、御当地サンティアゴ・デ・コンポステラでは、当然、帆立貝の料理はレストランのメニューに必ず登場する。一つ一つが殻に入ったトマトソース仕立てのグラタンになっているのだが、グラタンといってもチーズたっぷりのイタリアンタイプではなくて、あくまでも素材中心のサッパリした美味しさなのだ。

 街道沿いの食料品店の店先には何やら美味しそうな物がこちらを見つめている。黄色味を帯びた円錐状のチーズ、テティージャ。その名もなんと”オッパイチーズ”なのである。誰が命名したのか、なかなかスペインらしいジョークが効いている。どちらも牛乳を主原料としているのだが、よく観ると二種類あって、薄い色の方がテティージャで、中は白くモッタリと濃厚でかすかな酸味がある。濃い色の方はケソ・デ・サン・シモン。特にルゴ付近の山岳部で造られるスモークタイプのチーズである。後者は”尖がったおっぱい型”で”洋ナシ型”と言うらしいのだが、やっぱり”おっぱい型”の方が愛敬があって個人的には気に入っているのである。

 もう一つ、街角で気になるのが美味しそうなアーモンドケーキ、タルタ・デ・サンティアゴ。表面に粉砂糖でサンティアゴの十字架の模様があるのですぐに分かる。いつものとおり甘ったるいケーキを想像するのだが、中身はあっさりしていて、パクリと食べるとアーモンドの匂いがプーンと漂う。

 聞き込み調査の結果、一つの小さなバールに目つける。間口が狭く、気を付けて見ていないとつい見過ごしてしまいそうである。内装も質素なもので、席数も20人も入ればもう窮屈な程。店主兼カマレロが一人、黙々と店内を切り盛りしている。壁には日本のビールのポスターの様な宣伝用ポスターがドンと数枚貼り付けてあるのだが、その中にあるのがシガラ(手長えび)とピミエント・パドロン(獅子唐辛し)のポスターだ。

 シガラはカニのはさみを持ったエビといったところで、バレンシアに住む今でこそ見慣れたものだが、実はこの時初めて見たのだった。スープに使うと良いダシが出るのだけど食べるとなると身が少なくてついガシガシと殻ごと噛んでしまうのでシガラというよりシガム(歯牙む)といった方かいい。もっとも高級なマリスケリア(魚介料理専門店)では全長20センチ以上もある立派なシガラを味わうことが出来る。ここまでくればまさかガシガシやるわけにはいかなくなる。プリプリとして甘みがありファンも多い。

 実は本命は次のピミエントなのだ。サンティアゴ・デ・コンポステラから少し南西にあるパドロンという小さな町がその産地である。獅子唐辛しというと細長いものを想像するが、実際はもっと丸みがある。一人前で20個程もあるだろうか、ざっと塩焼きにされて出てくる。面白いのが中に1〜2個だけ、激辛が混じっているのだ。中国のおみくじ付きクッキーのごとく、摘まんでは食べ、また摘まんでは食べる。口で辛さを確かめながらも手は次のくじを引いている。そのうち必ず辛いやつに当たるのだけど、白ワイン、アルバリーニョでさっと流し込む。

 ワインに関してはまだ未熟者なので、生意気な口をたたこうとも思わないが、アルバリーニョはリベイロと共にガリシア地方を代表するワインで、甘い香りとスッキリした味わいが印象的である。

 酔いが廻りはじめたところで、お待ちかねのカルド・ガジェゴが運ばれる。土製の器に注がれたカルドを木のスプーンでそっとすくって啜るととても懐かしい味がする。大根にインゲン豆にじゃがいもを豚骨スープで煮込んであるのだが、日本の豚汁を思わせるものがある。ガリシアのおふくろの味といったところではないだろうか。ポテ・ガジェゴはコシード・マドリレーニョと同一線上にある料理で、スープを一皿目の料理、具を二皿目の料理とするのが本来の食べ方である。

 ラコン・コン・グレロスは塩漬けの豚肉とグレロスというカブの葉を煮込んだ料理だが、カルド、ポテと共に、これらの料理に不可欠なじゃがいもの存在を忘れてはいけない。じゃかいもこそが、ガリシア料理の中で最も登場する野菜なのである。何故なら、スペインではここガリシア地方が最初の栽培地に選ばれたという歴史があり、現在でも良質なじゃがいもを産出するこの地方では、多くの料理にじゃがいもが取り入れられ、メルルサ・ア・ラ・ガジェガを始め、多くの”ア・ラ・ガジェガ”と名の付く料理やカルデイラダという魚料理も例外ではない。

テティージャとタルタ・デ・サンティアゴ
(↑)テティージャとケソ・デ・サン・シモンとタルタ・デ・サンティアゴ
ピミエント・パドロン
(↑)ピミエント・パドロン

*アルバリーニョ
リアス・バイシャスと呼ばれる主にポンテべドラ周辺のDO指定地にて生産されている。アルコール度数は9-13度でフルーツ香がある白ワイン。”アルバリーニョ種”と”ゴデジョ種”等のブレンドにより製造。

*ポテ・ガジェゴ
白いんげん、じゃがいも、きゃべつの他、豚の耳、足、チョリソなどを煮込んだ料理。豆類と肉類を別に煮込み、最後に全部を合わせてじゃがいもと共に仕上げる手の込んだものである。

*ラコン・コン・グレロス
ラコンとは豚の背肉または前足部分の塩漬けで、バカラオ同様、24時間水に浸して塩抜きをしてから調理する。頭部の塩漬けもあり、カチュチャと呼ばれる。

*メルルサ・ア・ラ・ガジェガ
パプリカ風味を効かせたメルルサとじゃがいものカスエラ煮。この地方はメルルサは特に重宝されている食材の一つであり、地元では”アグジャ”の呼び名で親しまれている。

*カルデイラダ
メルルサ、あんこう、おひょう等、たっぷりの魚類とじゃがいもの煮込み。スペインの他の地方でも見られるが、各地元で獲れる新鮮な魚を使った漁師の料理であることから、本来は煮込むにも海水を使用したという。

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 スペインの味に挑戦!今回のチャレンジレシピ
タルタ・デ・サンティアゴ

《 材料 》
タルト生地:アーモンド粉 100グラム、 小麦粉 150グラム、シナモン 小匙1、砂糖 大匙3、卵 1個
フィリング:アーモンド粉 250グラム、砂糖 250グラム、卵6個、シェリー酒(甘口) 少々、粉砂糖 50グラム程度
《 作り方 》

1. タルト生地用の材料を全て合わせて少し休める。
2. ローラーで薄くのばし、打ち粉をしたタルト型に丁寧に敷く。
3. アーモンド粉、砂糖を合わせた大きめのボールに全卵6個を一つずつ割り入れて丁寧にまぜる。
4. シェリー酒を加え、生地が全体になめらかになったら、用意したタルト生地の上に流し込む。.
5. 事前に中温に温めたオーブンで充分に中まで火を通す。(30分程度)
6. サンティアゴの十字架の形の型紙を用意する。
7. オーブンから出し、完全に冷めたら、上部に十字架の型を乗せ粉砂糖を全体にふりかけた後、ゆっくりと型を外す。

※ タルト生地が固いようなら、少量の水を加えてもよい。タルト生地にアーモンド粉を入れない時はバターがサラダオイルをで油分を補うようにする。フィリングにレモンの皮を削り入れても風味が良い。シェリー酒がなければ、コニャックやブランデーで代用できる。タルト生地に流し込まずにそのまま焼いたアーモンドケーキはスペインの手作りお菓子の定番である。



【 今までの経路 】  マドリード  マドリードとアランフェス、チンチョン  トレド  シウダー・レアル、アルバセテ  テルエル、サラゴサ  ログローニョ  パンプロナ  サン・セバスティアン  ビルバオ  サンタンデール  ヒホン・オビエド  サンティアゴ・デ・コンポステラ


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