婚前契約




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ぽん子 2010/09/05(日) 06:30:05
こんにちは。いつも皆様の意見を参考にさせていただいております。

先日、婚前契約の話が出まして戸惑っております。
日本では馴染みのない制度でまだまだ知識が足りませんので、ここに質問させていただきます。宜しくお願い致します。

内容は財産分与です。

1.親が死亡した場合
彼によれば、スペインでは親が死亡した際、その財産のいくらかが配偶者に分与されるそうです。
しかし(将来の)配偶者である私には、彼の親の家の権利を完全に放棄して欲しいそうです。家の権利というのは、資産としてだと思います。
居住権に関してはよくわかりません。
家は(将来の)子どもに受け継いでいきたいそうです。
子どもがいなければ、自分の血のつながった家族に受け継いで行きたいそうです。
もし、資産としての家の放棄をしたとすれば、居住権も失われるのでしょうか。
もし、アパートでなくその家に住んでいて、離婚直後に住む場所がないとなると、困りますよね。


日本の場合、自分の親が死亡した際は、まず自分とその兄弟、自分の親からみた孫、ひ孫等、自分の配偶者(自分が亡くなったとき)という順番に財産が分与されると思うのですが、彼は私の親の家の権利は放棄したいといっています。
つまり、日本では、彼が私の親の家の権利を得られるのは、両親、私、私の兄弟、私の子どもが亡くなった場合になるので、そういう契約をしても無意味な気がしますが、どうでしょうか。


2.離婚した場合
もし、離婚した場合であれば、日本であれば親から譲り受けた財産は特有財産と見なされ、配偶者にわたることはないと思うのですが、スペインでは家も資産も分与されるのでしょうか。


3.契約について
Separación de bienes(自分の物は自分の物、相手の物は相手の物)は結びたくないそうです。そうなると、régimen de gananciales(夫婦の共有物)を適応するということですよね。これは、私がスペインに居住している際のみに有効なものなのでしょうか。
もし私が日本に居住し、日本国籍のままであれば、日本の法律(法定財産制)にそったものになるのでしょうか。つまり、彼には特有財産(相続や贈与されたもの)は受け取る権利がもともとないので、日本で契約を結ぶ必要はありませんよね?
日本の婚前契約では財産分与にまで言及できませんよね。
何らかの契約を結ぶとすれば、何の契約になるんでしょうか。


4.財産放棄について
彼は起業をしたいといっておりまして、もし私がスペインに居住して、彼は負債をつくって、亡くなってしまった場合、Separación de bienesがなければ、私はただ負債を負って、一文無しの状態になるのでは?と心配しております。
スペインにおいて配偶者による財産の放棄は結婚後に可能でしょうか。



長くなってしまい、申し訳ございません。
結婚前からシビアな問題を投げかけられました(笑)
彼は周りに弁護士がいるのである程度知識があるかと思います。
私は何も知らないのでパニック状態です(笑)
まだ契約を結ぶことが決定していないので、少しでも情報が集められたらなと思って投稿させていただきました。知っている範囲での回答で大変助かります。

その他にも、相続で問題が起こった方がおられましたら教えてください。
他のトピでは大変苦労なさっている方がおられて、他人事には思えません。

どうぞよろしくお願い致します。

門外漢ですが… 2010/09/07(火) 01:59:49
私も国際結婚(そして離婚)を経験し、法律的なことがかなり苦労したので人事と思えず、レスした次第です。
私の場合は日本に居住していたので、準拠法は日本の法律でしたが、相手国の法律が全く関係ないかといえばそうではなく、あやふやな部分も多く、手を焼きました。

日本語で「スペイン 相続」と検索すると、上部のほうに神奈川県司法書士会所属の司法書士・古閑次郎さんのHPが出てくると思います。
私の知り合いというわけでなく、検索していて見つけたのですが、スペインの法律を勉強しているらしく、ここにスペインの相続と遺産についてのまとめと2005年版のスペイン民法の翻訳文が載っています。
(アドレスを貼ろうとしましたが、何かのロックがしてあるようで、できませんでした。)

これによると、ご質問1でぽん子さんの相手の方の仰る
>スペインでは親が死亡した際、その財産のいくらかが配偶者に分与される
は少し違う気がします。

スペインの遺産相続はその多くが遺言によるもので(つまり遺言に名前があるかどうかが問題)、遺言が無くても、相続の順位は

まず死亡者の子どもや孫などの直系卑属
卑属の無い場合、父母や祖父母などの直系尊属
父母のうち、片方生存の場合はその子ども(つまり死亡者の兄弟)
卑属・尊属ともに無い場合は死亡者の兄弟等傍系に先立って配偶者が全て相続

という具合です。

日本では子どもと配偶者が同列くらいに相続の地位が高いのに比べ、スペインは驚くほど低い反面、卑属・尊属がいなければ”全て”相続できるというのもビックリでした。
もちろん配偶者に遺留分はあるものの、所有権ではなく、基本は生きている間はそのものが使えるという、用益権だけだそうです。

そして上記のまとめの中に、
「夫婦財産制が取得財産共同制の場合、生存配偶者は、相続によらないで、他方配偶者志望による財産の清算として、50%を取得する、また遺留分もある。」
とあるので、
相手の方が自分に何かあったときのために、ぽん子さんが自分の財産を受け取る権利を確実にするためにSeparacion de vienesをしたくないのかもしれない、とも思いました。

でも問題の家だけは血族に引き継がせたいのでしょう。

ぽん子さんがその家の所有権に興味が無く、将来の住居の心配をなさっているのなら、
@その家に将来すむ可能性があるのか
A子どもが無く、配偶者が死亡した場合もそこに住み使用する権利について契約書に明記でき、またそれが有効なのか
について確認されるというのはどうでしょうか。

また、ご質問2ですが、夫婦間の相続について、たとえ別居でもその権利がなくなるらしいです。

門外漢なのに、長々とごめんなさい。
誰かもっと経験のある方や専門家の方の回答があるといいですね。

スタッフ 2010/09/07(火) 03:07:56

 「門外漢ですが…」さんが紹介された 神奈川県司法書士会所属の司法書士・古閑次郎さんのHPへのリンクです.

 http://www.kokansihoo.com/souzoku.html

ぽん子 2010/09/07(火) 16:02:16
>門外漢ですが…さん

詳しく解説していただいてありがとうございます!!大変助かりました。勘違いをしていた部分も、きちんと理解できました。
法律の違いだけは、知識がないとどうにもならないですね。
他にも困っている方がおられたときに、このトピックが役立てば、と思います。
内容に入りますが、
スペインでは遺言書の効力が強いのですね。安心しました。
とにかく遺言書を書くよう、勧めます(笑)
ただ、スペインで結んだ契約は、どれくらい日本で効力があるのか、また、日本で結んだ契約はどれくらいスペインで効力があるのか、気になるところですね。

もう1点、気になったですが、日本の夫婦財産制度はSeparacion de vienesに似た制度なので、家だけを放棄するというようなものではないですよね。家だけ放棄するなんてことは契約できるのでしょうか。知っている方がいらっしゃれば教えてください。

ご紹介いただいたページ、じっくりと拝見させていただきました。
保存しましたので、何度も読み返しますね。
本当にありがとうございました。

ぽん子 2010/09/07(火) 16:06:24
>スタッフさん

リンク、ありがとうございました。参考にさせて頂きます。


追加ですが、9月7日にプールポンプについてのトピックを書かれました「ぽん子」さんは別の方です。同じ名前だったので驚きました(笑)


追加発言は締め切られました。
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