スペイン人と日本人の感覚の違い




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おしるこ 2021/12/16(木) 18:09:19
Netflixでいろいろ日本のドラマや映画をいつでも観れる良い時代になりましたね。最近では日本沈没や、浅草キッド(とても良かった!)を楽しみました。
ところで先日、東京ゴッドファーザーズというアニメ映画があったので、スペイン人の彼と観ようと思い事前に評価を見てみると、とてもほっこりする良い映画だという日本人の間で評判だったので大丈夫だろうと思って観てみたら・・・主人公たちはとてもコミカルなのですが、ストーリーは彼が頭を抱えるほどの暗い話題の連発で、終盤になると「何で日本人はいつもこんなネガティブなものを平気で観れるんだ!!」と言われました・・・。
自殺や捨て子、アル中やおやじ狩り・・・日本人からすれば、現に日々起こっていることを映画であえて取り上げて向き合うという感じなのかもしれませんが、私の彼(スペイン人全般とは言いません)からすると、タブーの話?ぐらいの感覚らしく、かなりショックを受けてしまいました。私も最初は普通に観ていたのですが、彼のリアクションを見て、私もだんだん彼と同じような感覚になってしまいました。
この場をお借りしてみなさんにお聞きしたくて書き込みました。みなさんはこのような日本人とスペイン人の感覚の違いを感じたことがありますか?

月の裏側 2021/12/16(木) 23:41:46
最近のスペインの若い世代が日本のアニメや漫画、ちょっとゾッとするようなものを含めて好まれる傾向があるのは、暗い面を表沙汰にしないスペイン社会とは違う世界がそこにあるからではないかな、と思ったりすることがあります。例えばDVとか、ネグレクトとか、際どい話はあまり表に出さないだけで、ソーシャルワーカーをしている人の話では、スペインも統計的に他国とほとんど変わらず存在するそうです。

逆に暗い話題というか日本の社会問題で説明しても、スペイン人にはなかなか分かりづらいトピックもあって、例えば引きこもりとか、若年層のセックスレスの傾向とか、そういうことをスペインのメディアの記事で読んでもピンとこないらしく、何回か質問されたことがあります。

チキ 2021/12/16(木) 23:57:20
先日、東京ゴッドファーザーズをNetflixで観たところです。
見終った瞬間から日本の家族に観た?まだならおススメだから!とメッセージ送ってました。

なので、トピ主さんのご主人の反応にはビックリしました。

改めて考えると、確かに出てくる人物はホームレスだったり一見恵まれない環境の人が多いですが、恵まれない中でもしっかり矜持を保っている人達がメインです。家はなくとも道理は尊ぶ、やくざの闘争の渦中でも 赤ちゃんは手厚く扱う、一見チンピラだけれどいざという場面での恩義は果たす、悪態はつくけど 着地点は相手への愛ゆえ。

空寒いシーンの連続でも話がありえない幸運の連続で進むのはファンタジーならこそで、そこが一見湿ってみえる環境に温かみを与えてると思います。

私は一人で見たのでこちらの人がどういう反応をするのか分かりませんが、思うに 日本人はツンデレのような、一見 マイナスだけど実は良いところがある、というところに評価を置く傾向があるのかもしれません。(ヤンキー風が老人に親切にしてると普通の人の親切より評価されてしまうのとか?!)

私はこの映画を観て暖かい気持ちになりました。 今週末は浅草キッドを見ようと思っていたので、トピ主さんおススメなら尚楽しみです。

もち 2021/12/17(金) 01:50:27
うちのスペイン人夫はかなりの量の日本のドラマ、映画を観ているのですが、そういう社会の暗い部分が描かれているものが特に気に入っているようです。学校のいじめ問題だとかにとても興味があるようです。
最近では「許されざる子供たち」(だったかな?)という映画と、長澤まさみさん主演の映画「Mother」がかなりのお気に入りでした。WOWOWのドラマも好きみたいです。

そんな夫ですが、日本の作品を見始めたころはよく「重すぎる」とか「これは深すぎてスペイン人には理解できない」「スペインならこのシーンで必ずHする」などと言っていました。
なので、初めの頃は「ハンサムスーツ」「テルマエロマエ」「うぬぼれ刑事」…と、誰でもわかるタイプのコメディ連発で導入しました。

まぁ男女差も個人の好みもあるので感性の違いを感じることはたまにありますが、いちばんビックリしたのは
もう10年位前三浦友和さんの「Railways 」という映画を機内で観た時のこと。
(もしかして観てみようと思う方がいらっしゃったら、ちょっとネタバレですごめんなさい。出来れば外国人のお友達やパートナーさんと観ていただいて、どんな反応するか聞かせて欲しいぐらいなんですが)


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ラストはじんわりと主人公夫妻がやり直して新たなスタートを共に歩み始める様子を表していました。私には普通に理解出来る終わり方でしたが、
観終わった夫が、「悲しいね」って言ったんです。ビックリしました。
こんなハッピーエンディングのどこが悲しいのか⁈
考えてみると、夫は字幕で観ていたせいもあるかもしれませんが、確かにセリフだけだときっぱりと別れを告げたようにも聞こえるので、なるほどなーって思いました。
面白いトピありがとうございます。
おかげで日本語独自の遠回しなYES Noは通じないんだとこの時学んだことを思い出しました。(近頃それを忘れてました)

2021/12/17(金) 10:02:06
つらい中での ほっこり、のホッコリの部分をスペイン人は感じ取れないのかもしれません。上の方がおっしゃってるように、察するという文化では無いですね。字幕の問題もありだと。

それと、自殺の話はタブーで、今でこそもっとオープンにすべきだと言う傾向にありますが、自殺のことを話題にするだけでも、その話題はスペインでは言わないほうが良いと言われた話も聞くので、自殺が出てくる映画はショッキングすぎるかもしれません。そこに親父狩りなど聞いたこともない別のショッキングな話題が出てくると、刺激が強るのでしょう。

スペイン人も見慣れてくると日本人と同じ感覚になってきますが、まだそういう文化に慣れず保守的な人繊細な人いると思います。私もどんなに良い映画でも若い頃、戦争系でズシーンと精神に来てからは、重いテーマが入る映画は自分や一緒に見る人が精神的に元気で強いかを考えるようになりました。
スペイン人全般の話、というより、彼が感受性豊かな人で、慣れない衝撃的なテーマだったのでは無いでしょうか。

興味深いですこのトピ 2021/12/17(金) 11:13:58
私のスペイン人パートナーは理系だから?か、ドラマも映画もリアリティがある、綺麗事だけでない、暗さも辛さもあるのが好きだと言っています。スペインのテレビ番組でも、コメディやファンタジーはパス。社会風刺が入ったり、tragicomediaなら歓迎、という人です。
今まで一緒に見た映画で彼が特に気に入ったのは
「誰も知らない」(是枝裕和監督、2004年)
「ノマドランド」(クロエ・ジャオ監督、2021年)
でした。社会の辛い側面が描かれているのが好きなんだそうです。

逆に、私が薦めたのに「これのどこがいいの?」と一蹴されてしまったのはルパン3世・カリオストロの城。
宮崎駿の原点の一つだよ、と説明したのですが、アニメ全般からどうも好きになれない(事実、漫画、アニメ、全く関心無し)、そして健気なお姫様をヒーローが救出、という筋から既にanticuado、と。
人それぞれですね。

同じく 2021/12/17(金) 12:08:11
文系で日本人ですが、私も上のコメント↑の方のスペイン人パートナーさんと全く同じです。
コメディーはブラックコメディなら好きなものもありますが、ファンタジー、ラブコメディーやいわゆるベタな展開のものも苦手です。

楽太郎 2021/12/17(金) 17:57:08
興味深い内容です、私が考えていたのは、日本人と欧州の人たちは「転ばぬ先の杖」「備あれば憂い無し」の感覚が違うのかなと。
私たちの国は地震や台風などの災害が多く、今まで生きて来た中で何度もそのような悲劇を見てきました。
なので、防災に対する意識が強く、準備をする考えることが自然で、嫌な出来事の予想をするようなネガティブな行動ではないのではないかと思います。
仕事に関することも同様で、「終わらない可能性もあるので、早めに準備する」「足りないかもしれないので余分に準備する」このような事を提案すると、「大丈夫だよ、なぜそんな否定的な事をいうの?」と言われる事が多くあります。まるで私が悲観論者のような。
そういう周りのスペイン人は私からしたら全く根拠のない楽観主義者で、結局時間に間に合わなかったり、完成できず、
完成しても徹夜続きのギリギリとか。本当の楽観主義ならちょっとぐらい準備しておけば心から安心できるのにと思います。
そういう彼らはファンタジー好きです。私は逆でディストピア題材のものを見ても辛くはなりません。
スペインの映画も暗〜いのありますよね、戦争とか貧乏とか。。。
私は好きでみてましたが、友人はスペインの貧乏な時代を思い出すので嫌みたいでした。
ちょっとまとまりのない文になってしまいましたが、ちょっと感じている事を書いてみたかったので。
別にスペイン人が嫌いなわけではありません。

パンズ・ラビリンス 2021/12/19(日) 17:42:07
楽太郎さんのコメントを見て思い出したのですが、それぞれの戦争に対する感覚の違いはありますね。
ギジェルモ・デル・トロ監督の『パンズ・ラビリンス』、日本でもかなり評価されてますし、ダークファンタジーとして私も特に何も考えずに楽しんだのですが、スペイン人の夫はどうしても内戦の暗い雰囲気を思い出すので嫌だと言います。
一方、太平洋戦争をモデルにした作品などは、当たり前ですが「よその国の昔の話」という感じの気軽さで観ているようです。

おしるこさんのおっしゃる社会問題を取り扱った作品などに関しては、別にタブー視もしていないけど、好んで見る感じでもないですね。
同様に気楽なドラマも好んでいるわけではなさそうです。
これは個人の性質によるのかなあと思います。

園しおん 2021/12/19(日) 19:38:48
私のスペイン人夫は園子音作品全般が好きです。
画的にも精神的にもどぎついイメージなんですが
逆にぶっ飛びすぎていて面白いようです。

逆に湊かなえ原作の映画「告白」を見たときは
こちらの方が表面的なグロさは抑え目なはずですが
日本特有?の裏に隠れた人間の黒さみたいなものを見て絶句していました。


追加発言は締め切られました。
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