ビ　ジ　ネ　ス

　一般に、シエスタと呼ばれる昼の長い休息時間をとる習慣は大都市部分では減少傾向にあります。　通常は午前　9時から14時、午後は16時から19時というのが一般的ではないでしょうか。　　お昼は3時までで、６時には終業というところも多く見かける反面、中小、というより、零細企業では、8時，9時ごろまで働いているところも多くあります。

　夏場、6月ころから9月ごろまでは、8時から15時まで。昼休みはなしといった、Horario　Intensivoと呼ばれる短縮勤務制度をとる職場も多く見受けられます。

　 この時期、取引先などの営業時間を確認することも必要です。

　入社1年目であっても、年間30日の有給休暇が法律で認められています。　 サービス業でなければ、一般企業の場合、土曜日および日曜日は休み。　 祭日は国の祭日のほかに、各地方自治体の祭日、市の祭日などもあります。

　その他、地方のお祭りの週には短縮勤務体制を取ることもあります。

　職種と業種によって、最低給与の基準が異なってきます。

　だいたいのところ、月給７万いくら、とか日給2500とかのレベルなので、実際にはほとんど考慮する必要が無いでしょう。

　雇用する立場と、サービスを利用する、という両方の立場からみた、問題点について触れて見ます。　ただし、これには個人差、企業モラルなどで、非常に差があるので、日本と比較して一般的にこのように感じられるであろう、という点をご理解ください。

　一般的に言って、雇用側と被雇用者の立場の差がはっきりしているこの国で、たとえば、契約上の職に定める範囲以上のことをしてもらうことはまず難しいと考えたほうがよいでしょう。

　つまり、電話受付は電話受け付けだけの仕事。　会計は会計だけの仕事と、分業が決まっています。

　積極的に難しい仕事に敢えて報酬の約束もなしにトライする、客が困っているようだから、自分の職務範囲でなくても、できるだけの手伝いをする、というようなサービス精神は期待できない、ということです。

　自分の守備範囲でないことには、即座に、「自分の担当ではない」と担当をたらい回しにされたり、また、少々厄介な話になりそうだ、と感じられたら、担当に変わる以前に「当社ではできない」との返答が帰ってくることもしばしば。

　客だから、無理を聞いてもらう、というような、義理人情的な交渉はさておき、正当な要求は、筋を通して主張することも、大切です。

　請求書はスペイン語でFACTURAと呼ばれ、年間を通して通し番号で発行させなければなりません。

　またこのFACTURAには、発行する法人および、発行のあて先法人の正式企業名および納税者番号が記載されることが義務付けされています。

　地下経済の割合が多く、実際に経済活動があっても、このFacturaを発行しない金銭の取引が多いといった事実はありますが、近年この傾向は改善されつつあります。

　購入やサービスに対してのクレームもこのFacturaがなければ基本的には対応不可です。

　ここでは、営利活動に伴って義務が発生してくる税について触れてみます。

　提供したサービス、販売商品などに加えられ、通常は税率16%です。

　その他、生活必需品、書籍などに関しては低い税率が適応される項目もあります。

　本土からカナリア諸島に対して請求書（Factura）を発行するときにはこの16%は課税しません。

　また、欧州内への販売、購入にも、FACTURA上にはIVAは発生しませんが、スペイン税務署（AGENCIA　TRIBUTARIA）を通して、申告することになります。

　申告は3ヶ月ごと、つまり、各4半期ごとに、税務署（Agencia　Tributaria）へ徴収額、支払い額を、申告し、支払い、または還元をうけることになります。

　企業組織、個人を問わず、営利活動を行う法人に対して課せられます。この税は1年に一度納入義務のある地方税の一種で、地方により課税方法がことなります。

　一般に、業種、業態、事務所面積などで課税額が変動します。

　年に1回、企業活動の収支に合わせて課せられます。

　詳しくは税務局　Agencia　TributariaのHPを参照下さい。

　起業に当たって、大別して2つの方法が考えられます。

　　１． 個人事業主のいわゆる自営での起業

　　２． 会社形式をとる起業

　１．の場合、Auto'nomoとよばれますが、事業の内容によって、所得税などの課税方式は異なります。　また、社会保険料も全額自己負担となります。　フリーランスの職業の方は大概これに相当します。

　２．の会社形式のもっとも一般的な形式は、S.L.（Sociedad　Limitada）と呼ばれる有限会社、または、S.A.（Sociedad　Ano'nima）と呼ばれる株式会社です。

　企業規模や業務内容によって適切な形態をとりますが、いずれの場合にも事業内容・会社定款を定義し商業登記所に登録することが必要です。