「プレステージ号の重油流出事故のニュース」(2002年11月28日)

(新聞による発表)
 SEO/BirdLife(スペイン鳥類学協会)の鳥類学者、汚染流出物に影響を被る鳥類の割合をはかるための生息数調査の定期的な実施へ。

 2002年11月22日から24日にかけて、SEO/BirdLife(スペイン鳥類学協会)のボランティアたちは、プレステージ号から流出した重油が打ち寄せた14の沿岸区域における鳥類の数についての調査を実施した。

 これはガリシア地方沿岸で越冬する水鳥や海鳥への被害についての初めての評価である。各区域は経験豊かな鳥類学者によって調査が行われ、学者たちは現在生息している各種の鳥類の大部分の生存確認にあたったが、それは燃料油が鳥類に及ぼした影響について可能な限り信頼できる指標(調査ずみの全体数のうち重油の被害を受けた鳥の数の割合として表される)を得るためである。  この調査は汚染流出物による損害を今後も追跡する目的で定期的に実施されることになる。

 調査を受けた14ヶ所は次の場所である。

 

・ミーニョ川河口
・シリェイロ岬
・バイオナのリアス式海岸
・モアニャ入り江
・オ・グロベ入り江とア・ランサダ入り江
・ラス・フルナス海岸−リベイラ
・ロウロ海岸−カルノタ/カルデバルコス入り江
・トラバ沼
・アンリョンス川河口
・バルダイオ低湿地
・ヘラクレスの塔とブルゴのリアス式海岸
・フェロルのリアス式海岸の内部
・フロウシェイラ沼
・カリニョ(オルティゲイラのリアス式海岸)


<結果>

 至急調査したにもかかわらず、今のところ結果について評価を行うことはできない。この結果は今後の報告書において取り上げられ議論されることになろう。

 より正確な分析を待ち、見つけ出された鳥類の一部はあくまでもサンプルを限ったものとして考えるが、観察の結果言えそうなことは、最も影響を被った鳥類が砂地や岩の多い海岸に生息する種であるということだ。

 燃料油は週末の11月16,17両日にアンリョンス川河口に流れ込んだ。この両日にちょうど重油で汚染された水中の浮遊物が出現したのである。この場所には流出物の新たな流入は見られなかった。

 特筆すべきは、重油に汚染されたキアシセグロカモメ(Gaviota Patiamarilla = Larus cachinnans)が見つかった割合が最も高いのが最初に流出物が出現した地域であるという事実である。

 例としてシリェイロ岬(ポンテベドラ県南部)で得られたデータを提供する。 4時間ごとの観察記録である。 (11月23日8時〜10時半、16時〜17時、西から南東に強い風。  11月24日9時〜10時。風なし)

鳥の種類  観察された鳥の数 汚染された鳥(%)
Pardela Balear
(Puffinus mauretanicus)
2 0
Alcatraz Europeo
(Morus bassanus)
6 0
Gaviota Patiamarilla
(Larus chachinnans)
キアシセグロカモメ
1336 9.5
Gaviota Sombri'a
(Larus fuscus)
ニシセグロカモメ
649 2.5
Alca Comu'n
(Alca Torda)
オオハシウミガラス
112 24.1

<注釈>
生息数調査コーディネート:フランシスコ・アルコス
調査参加者:ホセ・マヌエル・マルティネス・マリニョ、セサル・ビダル、ティト・サルバドーレス、ラファエル・サルバドーレス、フランシスコ・アルコス、ステルナ−フェロール・グループ、アグスティン・アルカルデ、フランシスコ・ドカンポ、アルベルト・ビエイロ、カルロス・レイ、モイセス・アセンシ、ミゲル・ロレンソ、ルイス・アルバレス、ベレン・フェルベンサ、ベア・フェルベンサ、X.M.ペスケイラ、シュルショ・ピニェイロ、マヌエル・アロンソ、 ハコボ・オヘア、ホセ・ルイス・ラブニャル・パティニョ、ホセ・アントニオ・デ・ソウザ、アルバロ・バロス

次のページに、14の沿岸地域で観察された鳥類についての表がある。 汚染 された鳥類の割合が示されている。

連絡先:
SEO/BirdLife(スペイン鳥類学協会)
アントニオ・サンドバル  電話 617 00 32 32

 

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