「プレステージ号の重油流出事故のニュース」(2002年11月27日)

(新聞による発表)
 油まみれの鳥の数が増加。 絶滅危惧種 Puffinus mauretanicus 2羽の死骸が初めて発見される。

 

 11月22、23、24日、ガリシアの海岸の14区間を調査したSEO/BirdLife(スペイン鳥類学協会)のボランティアが得た情報によると、油まみれになった鳥は18種から33種に増加した。回収された死骸の中に、絶滅の危機にある Puffinus mauretanicus 2羽が含まれていた。

 週末に数ダースの油まみれになった鳥が新たに発見されたことも、今回の情報で判明。 それ以前にすでに、29羽が死亡、500羽以上が回復センターに収容されている。 沿岸地域に生息する鳥が初めて見つかったが、その中でもCharadrius alexandrinus(和名シロチドリ)、Limosa lapponica(和名オオソリハシシギ)、Numenius arquata(和名ダイシャクシギ)が目立っている。

 「SEO/BirdLifeは、被害を受けた鳥が18種から33種に増加したことを危惧している。 絶滅の危機に瀕するPuffinus mauretanicusの2羽の死骸が見つかったことは憂慮すべき事態だ。 先週土曜日11月23日、アストゥリアスのペニャス岬で個体数調査を行った際、1時間に約50羽の Puffinus mauretanicus が、西に向かって飛んでいた。 ちょうど汚染された地域である」同協会がガリシア沿岸で行っている鳥の回収作業のコーディネーターの一人アントニオ・サンドバルは語った。

 SEO/BirdLifeのボランティアは、部分的に油が付着した鳥も目撃している。その中には南に向かうuria aalge(和名ウミガラス)やalca torda(和名オオハシウミガラス)の姿があった。

 バレアレス諸島特有の種であるPuffinus mauretanicusは、1750ペアから2125ペアが生息しているとされているが、渡りの時期には、今回広範囲に流出した重油に汚染された地域にいることが知られている。

 1991年にはこの種は3300ペアが生息していた。しかし、SEO/BirdLifeが2000年に行った個体数調査によると、約半数に減っていた(9年間で47%の減少)。 このペースで減少していくと、50年以内に絶滅する。 同種の寿命を考慮すると、3世代のうちに絶滅することになる。

 多くの場合、猫やネズミの犠牲になり、このように激減した。 他の原因としては、延縄漁船での不慮の死、生息環境や営巣地の破壊、環境汚染が挙げられる。

注:発見された種の詳細な表、ならびに11月22・23・24日に実施された個体数調査の簡略な評価を明日発表する。

連絡先:
ネレイダ クエンカ Tel 91.434.09.10
アントニオ サンドバル Tel 617.00.32.32

 

 

e-mail address: info@arrobaspain.com
Copyright (c) 2000-2024@Spain all rights reserved.